巧妙化する「闇バイト」に大打撃か?警察が来年から始める「新たな取り組み」とは?
● ルフィ事件の実行犯は 無期懲役の判決 冒頭に紹介した通り警察庁は10月以降、Xに動画で「勇気を持って抜け出し、すぐに警察に相談を」「警察は相談を受けたあなたや、ご家族を確実に保護します」、11月には「応募者は『使い捨て』要員です」と呼びかけた。 さらに、簡単な案件で支払う約束の報酬を「餌(えさ)」と表現。確かに実行犯が「使い捨て」なのは今までの手口から明らかだが、警察庁がこうしたキツイ言葉を使うのは珍しい。それほど危機感を募らせていると言えるだろう。 また「(指示役は)約束の報酬を元から支払うつもりはない」「あなたが警察に逮捕されるまで利用し続けます」と強調。加担すれば「必ず捕まえます。逃げられません」「知らなかったという言い訳は通用しません」と警告している。 では、実際に摘発されたら実行犯はどのぐらいの罪になるのか。強盗罪は5年以上の有期刑と重く、怪我をさせた強盗致傷罪や死亡させた強盗致死罪は重罪だ。強盗殺人罪ともなれば、犯行の態様によっては被害者が1人でも死刑の可能性もある。 首都圏の事件は本格的に公判が始まっていないので、最近判決が相次いだルフィグループによる強盗致死事件での実行犯3人の経過をお伝えしたい。いずれも判決は昨年1月、東京都狛江市の女性(当時90)をバールで殴ったり蹴ったりして死亡させ、腕時計などを奪ったと認定した。 主犯格とされた永田陸人被告(23)は11月7日、東京地裁立川支部の判決で「拷問とも言うべき執拗(しつよう)で極めて残忍な犯行」と厳しく指弾され、検察側の求刑通り無期懲役を言い渡された。今月16日には加藤臣吾被告(26)も同じく無期懲役判決(求刑同)が下された。 当時19歳の大学生で、改正少年法で起訴後の実名報道が可能となる「特定少年」だった中西一晟被告(21)は公判で「共犯者がバールで殴るとは思わなかった」「指示に逆らえなかった」などと述べ、弁護側は強盗致死ではなく強盗にとどまると主張したが、判決は「共犯者が強い暴行を加える可能性を認識していた」と認定し、懲役23年(求刑懲役25年)を言い渡した。