【EC特化のクラウドソーシング「EC WITH」の狙いを聞く】ワンプルーフ 平山社長「ECスキルを持つ人にすぐ依頼できる」
ECソリューション事業を手がけるワンプルーフは10月17日、ECプロ人材特化型のクラウドソーシングサービス「EC WITH」をリリースした。「EC WITH」では、仕事を外部委託したいEC事業者と、ECに特化したスキルを持つ人材をマッチングする。ワンプルーフのEC運営支援のノウハウや人脈を生かし、EC事業者の売り上げや利益の増加を支援するとしている。「マッチングする人材は、ECモールやカート、一元管理システムの運用など、ECの専門的なスキルを持つことを条件としている」と話す、ワンプルーフの平山和泉社長に、サービスのメリットについて聞いた。 <EC運営のリソース不足を解消し、利益に貢献する> ――「EC WITH」を始めたきっかけを教えてください。 当社は17年間に渡って、EC事業者支援をひたすらに行ってきました。その中で「部分的な専門業務を依頼したいEC事業者」と「ECの業務を得意とする、仕事を受けたいワーカー」をオンラインでつなぎ、受発注が行えるクラウドソーシング事業を構想しました。 EC運営の仕事は業務量が多く専門的なスキルも必要です。EC事業の戦略立案から、セールの際の広告用バナーの制作まで、幅広い仕事があります。それにもかかわらず、人件費に多くを投じる事ができず、人的リソースが足りていないという課題がありました。 一方で、コロナ禍などで働き方の多様化が進みました。同時に、EC運営に携わったことがある、ECの業務スキルを持つ人材も増加しました。楽天市場やAmazonなどECモール運営に必要なスキルを持っている人はたくさんいます。ECカートシステムや一元管理システム、メール配信のシステムなど、専門的なツールを使える技術はあるけれど、仕事を獲得する場がないという人もたくさんいるのです。 当社はECの運営代行サービスを始めとするECソリューション事業を長く提供してきたことから、EC事業者の持つ課題を詳しく知っています。当社が提供するECソリューション事業は、EC事業の戦略立案から運用業務までを一貫して行うサービスであるため、予算の兼ね合いで当社では受けられないものもあります。 一方、ECスキルを持つ人材とのつながりも多いです。当社で今まで支援できなかった、EC事業者をECの業務スキルを持つワーカーにつなげたいと考えたのが始まりです。 <1年で2000人の登録を目指す> ーー「EC WITH」が提供できるメリットは何ですか。 EC業務のスキルを出品できるワーカーは、必ずEC運営における業務スキルを持つ人に限定するようにしています。誰でも登録できるプラットフォームではありません。まずは、サービス開始から1年間で2000人のワーカー登録を目指しています。 サービス開始時点ですでに、ワーカーとして約50アカウントの登録があります。登録してくれているワーカーには、同業であるEC支援会社の人もいますし、実際にECサイトを運営してきた実績のある、フリーランスの人材もいます。 今後は、フリーランスのワーカーの登録も増やしていきます。さらに、品質を担保するために、ECサイト構築を得意とするシステム会社や、EC運用、運営代行を行うEC支援会社の登録を積極的に進めていきたいと考えています。 「楽天スーパーセール」や「Amazon プライムデー」のような、大型セール時のタイミングのモール内広告運用を委託する案件も出てくると考えています。「1枚数千円のバナー制作」など、大小さまざまな案件を増やしていきたいです。 ECに関する業務スキルのマーケットプレイスとして、品質を自社でコントロールできるようにもしていきます。例えば、業務領域やフォーキャスト(業績目標管理)が大きい案件などは、当社が得意とするECソリューションサービスとして、クライアントのニーズに合わせ、包括的に支援していきます。こうした点は、当社が運営するスキルマーケットならではの特徴です。 <EC事業者がもっと儲かる世界へ> ――平山社長の人材マッチングサービスに対する思いを、教えてください。 案件を委託したいEC事業者と、仕事が欲しいECスキルを持った人材の両方に寄り添いたいと考えています。 EC事業者は、ECモールの開催するセールやイベントのタイミングで、リソースが不足しがちです。季節商材を扱うメーカーは、繁忙期に人的リソース不足が顕在化します。それに対応できる場になることを目指しています。 フリーランスの人の中には、「報酬が支払われない」などトラブルを経験している人も多いです。「EC WITH」は、「報酬が支払われない」といったリスクが生じない仕組みとなっています。ECスキルを持った人材が安心して仕事を得られるようサポートしたいと考えています。 今まで当社が支援できなかったEC事業者を始め、より多くのEC事業者が必要な時に、フレキシブルに人的リソースを確保できるようにすることによって、大きなコストを投じることなく、積極的に施策を打つことができるようになります。 そうすることによって、EC事業者の売り上げや利益の増加につなげたいと考えています。「EC事業者がもっともっと儲かる業界にしたい」という、設立以来変わらない社員全員の強い想いを、HR領域のサービス展開で実現していきたいと考えています。
日本ネット経済新聞