裏原、音楽、スラムダンクetc. 小木“Poggy”基史さんに聞く「スポーツとファッション」の交錯点
スポーティなアイテムを日常のコーディネイトに取り入れる。街でしばしば目にするその姿は、オーシャンズ世代にとってどこか懐かしく、共感できるエッセンスが多い。 ▶︎すべての写真を見る
そのルーツはどこにあるのか? 1980年代以前の黎明期から90年代以降、“スポーツとファッション”はどう交わり、世のトレンドとなったのか。 それを紐解く重要キーワードを小木“Poggy”基史さんに伺った。
「スポーツとファッションは、90年代にグッと密接になりました」
「スポーツとファッションが明確に結び付いたのは、90年代という実感があります。ただ、それ以前にもテニスやスキー、クリケットといった上流階級が好んだスポーツとそのスタイルをイメージソースに、スポーツウェアを取り入れる傾向はありました。 例えば、ブリティッシュトラッドのお手本といわれる80年代初頭の映画『炎のランナー』に登場するスポーツミックスの装いは、その原型です。90年代に入ると、よりストリート色が強いカジュアルスタイルが全盛を迎えます」。
NBAを筆頭にアメリカのスポーツが身近になり、スニーカーブームが巻き起こる。音楽シーンではスポーティな格好をしたアーティストたちがチャートを席巻した。
「セールス的にも大成功を収めた“ブリットポップ”と呼ばれた90年代のイギリス産ロック。メジャーなバンドもステージ上でサッカージャージーを着ていたのが時代を象徴しています。 当初はハードコアパンク色が強かったが、80年代にはヒップホ
クラブシーンでもそのスタイルは当たり前に受け入れられ、ヒップホップでは、ビースティ・ボーイズなどの新しい勢力がファッションを牽引し、彼らが履いていたローテクスニーカーは、飛ぶように売れました」。
そして音楽シーンと並んで、多大な影響を与えたのが、一大トレンドとして海外からも注目された日本発の“裏原宿”のスタイルだ。 「当時のムーブメントの源泉のひとつが、スケートやサーフといったエクストリームスポーツ。 マット・ヘンズリーなどのスケーターからインスピレーションを得た人も多く、そこにアレンジを加えた東京ならではのスタイルが生まれました」。