順調に王道トーナメント１回戦を突破している斉藤レイ

　全日本プロレスの世界タッグ王座を保持する斉藤ブラザーズの弟・レイ（37）が、真夏の〝炎天下トレーニング〟で培ったスタミナを武器に「王道トーナメント」初制覇を狙う。 　1回戦では羆嵐を下し、準々決勝（19日、東京・新木場1stRING）でサイラスと対戦する。双子の兄・ジュンが1回戦で敗れ、兄弟対決を阻止された因縁の相手だ。レイは「兄と対戦したかったから残念だし、悔しい気持ちだ。まあ、敵討ちっていう気持ちは正直ねえけども、それでも兄弟で同じ相手に続けて負けるわけにいかねえからな。俺がDOOMしてやるぜ！」と気迫をみなぎらせる。 　さらに「サイラスはでけえけど、ムーンサルトで飛んだり蹴りが鋭かったり、器用なところがある。そこに戸惑わされないようにしねえとな。俺は器用なことなんてできねえから、真正面からぶつかるぜ、フアーオ！」と奇声を発した。 　昨年度の「プロレス大賞」では兄弟で新人賞を受賞。現在も2人で世界タッグ王座を保持するなど急成長を遂げると同時に、人気もうなぎ上りだ。ミヤギテレビ「OH！バンデス」のグルメ企画「TAXIめし」出演からメディアへの露出も急増した。 　知名度上昇は喜ばしいことだが、一方でマイナス面もあった。「実は俺は学生時代からランニングをするのが習慣だったんだ。ジョギングとか坂道ダッシュとかな。だけど、だんだん忙しくなって去年の秋ごろから走るのがおろそかになっていたんだ。ウエートとか自重トレはしていたんだが…」 　その結果、今春の「チャンピオン・カーニバル」では、スタミナ不足を痛感。そこで記録的猛暑となった今夏は、多忙の合間を縫って兄弟でロードワークに精を出したところ、調子を取り戻したという。 「この勢いで一気に3冠ヘビー級のベルトも取って、斉藤ブラザーズで全日本のベルトを独占するぜ、ガハハハ…」 　なお、最近も中京テレビ制作の「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」や、TBSラジオ「ジェーン・スー　生活は踊る」などの人気番組に出演し、知名度はますますアップしている。 「宮城県では、もうどこに行ってもすぐ声をかけられる状態だ。それに最近は東京とか神奈川県内でもよく声をかけられるようになった。自分が有名になりたいとかはねえけど、知名度が上がることがプロレスにつながればいいと思う」と、さらなるリング内外での活躍を誓った。 　ここまで存分に語っておきながら、最後になってレイは「恥ずかしいから、あんまり俺がトレーニングしてることとかは記事にしなくていいぞ」と低い声でクギ。「それよりも、俺が山ごもりをして石を持ち上げて鍛えていた話を書いておけ！」と謎の武勇伝を残し、ランニングに出発した。