夜行特急「WEST EXPRESS 銀河」は寝台列車より寝心地よい? 各設備で「寝比べ」 目撃した意外なお客さん
頻繁に徐行運転する「WEST EXPRESS 銀河」
3号車は3~4人用の半個室区画「ファミリーキャビン」と、普通車指定席です。「ファミリーキャビン」は2室あるのですが、夜行運転時は1組で2室が使え、もう片方の個室が荷物置場という不思議な販売方法です。こちらも普通車指定席扱いで人気がある半個室設備ですから、夜行でも個別売りしてもらいたいものです。 「ファミリーキャビン」の最大震度は2.4、平均震度は1.6、平均騒音は57.9dBでした。振動の数値が低いですが、これは計測時に徐行運転していたためです。実際はほかの設備と大差ない振動があります。 3号車の普通車指定席は、最大震度2.5、平均震度1.3、平均騒音56.6dBでした。こちらも徐行していた時なので、数値は目安です。 次に2号車に移動しました。「クシェット」と普通車指定席から構成されます。「クシェット」が最大震度4.7、平均震度2.1、平均騒音54.2dB、普通車指定席が最大震度4.8、平均震度2.2、平均騒音59.8dBでした。乗り心地は「クシェット」の方がやや良いようです。 指定席は、リクライニング角度が深いのは良いのですが、リクライニングで体が前に滑ったときに止まりません。フットレストやレッグレストが必要と感じます。なお、2号車指定席はかつて女性専用でしたが、現在では一部が女性専用席となっています。 最後に1号車「ファーストシート」へ。向かい合わせ座席が並びますが、寝台に転換できる構造のため、実質寝台車です。寝心地はかなり固めで、寝台高さが高いのがやや怖いです。寝台をカーテンで仕切ることもできます。 列車が速度を上げたので、最大震度4.7、平均震度3.4、平均騒音56.9dBを計測しました。以前乗車した際には「プレミアルーム」と大差ない騒音・振動でしたので、高速走行時の目安とお考えいただければと思います。
平日の乗車率は? 意外なお客さんにも遭遇
計測を終えたので、西明石駅出発時に、車内を巡回して乗車人数も数えてみました。 1号車「ファーストシート」/8名(満席) 2号車「クシェット&普通車指定席」/指定席6名、クシェット7名(定員26名) 3号車「ファミリーキャビン&普通車指定席」/指定席10名、ファミリーキャビン2名(定員22名) 4号車「フリースペース」/利用客6名 5号車「クシェット」/11名(定員18名) 6号車「グリーン個室プレミアルーム」/9名(満席) 合計:59名(定員:83名) 乗車率は71%と、平日としてはまずまず。特に座席の普通車指定席が思った以上に利用されていました。意外だったのは、行商人のおばあさんが利用していたことです。京都発21時15分、米子着7時52分、松江着8時46分、出雲市着9時39分は、実用列車の範囲なのでしょう。 月曜日の下り「銀河」は、金曜日では見られる「駅ソバの特別営業」がないのは残念です。また、松江駅で19分停車しますが、駅弁屋の開店が午前9時で列車はその5分後に出発なので、駅弁購入が難しい点は改善してほしいところです。 気になる部分もありましたが、「WEST EXPRESS 銀河」の12時間は、あっという間に過ぎました。楽しい夜行特急の旅が、今後も長く続けられることを願ってやみません。
安藤昌季(乗りものライター)