お金が貯まらない"普通の人"はこの発想がない…子や孫の世代まで影響する「本物の富裕層」のお金の使い方
■多くの富裕層が自分の資産を社会貢献に役立てている 多くの富裕層が、自身の資産を社会貢献に役立てたいという強い意志を持っており、例えば2010年にビル・ゲイツやウォーレン・バフェットが「The Giving Pledge」を提唱しました。これは、自分の財産の大半を生前または遺言で慈善活動に寄付することを公約するよう呼びかけるもので、富裕層が社会に貢献する意思を公に表明する場として機能しています。 世界には多くの著名な財団があります。財団は主に慈善活動や教育、医療、科学研究、社会福祉などさまざまな分野で貢献しています(図表2)。
■日本の富裕層も資産を社会貢献に役立てるようになっている こうした活動は海外だけではなく、日本でもおこなわれています。慈善活動、社会的投資、教育機会の提供、地域コミュニティの支援など、積極的に資金を投じている起業家がいるのです(図表3)。 たとえば、ファーストリテイリング創業者柳井正氏の公益財団法人柳井正財団では、有望な人材が経済事情等に関わらず世界トップレベルの教育機会を得られるよう支援し、2017年より米国と英国の大学に進学する学生に返済不要の給付型奨学金を51億円支給、2023年9月時点で233名の奨学生を送り出してきました。ソフトバンクグループ創業者の孫正義氏が創設した公益財団法人孫正義育英財団でも新しいテクノロジーの研究開発費用や、起業や社会活動に関わる準備費用、留学や進学費用を支援しています。 富裕層がこうした財団を設立する背景には、物質的な豊かさだけでなく、「精神的な豊かさ」や「社会的な豊かさ」を大切にしていることがあります。 海外の大学や大学院への寄付は、彼らが得た教育や経験に対する感謝の表現であり、次世代への投資という側面もあります。また、寄付を通じて母校の発展に貢献することは、自分を育んだ社会に対する還元の一つとして捉えられます。このような「恩返し」の文化が、寄付行動の原動力になっている場合が多いと感じます。