『マーベル・ライバルズ』の開発者、『CONCORD』が失敗した原因やヒーローシューター市場への参入の難しさについて語る
『マーベル・ライバルズ』の開発者、『CONCORD』が失敗した原因やヒーローシューター市場への参入の難しさについて語る - Part 1
『マーベル・ライバルズ』のディレクターが、多数の作品がひしめくヒーローシューター市場への参入を成功させることの難しさについて語った。そのなかで、『CONCORD』のような失敗は、プレイヤーがすでに時間やお金を費やしているゲームから、新しいものに乗り換えようと思えるほどの大きな魅力を持つ必要性が高まっていることを示していると指摘した。 『CONCORD』はPlayStation史上でも最大級の失敗作だ。プレイヤー数があまりにも少なく、発売からわずか2週間足らずでサービスが終了してしまった。ソニーはその後、販売も中止し、開発スタジオも閉鎖された。 最近失敗したヒーローシューターはほかにもある。Rocksteady Studiosによる『スーサイド・スクワッド:キル・ザ・ジャスティス・リーグ』もその一つだ。ポストローンチコンテンツは発売からわずか1年となる2025年初頭に終了予定で、販売元のワーナー・ブラザースに2億ドル(約308億円)もの穴を開けた。 そんななか、NetEase Gamesが手がける『マーベル・ライバルズ』はこうした運命を辿らずに済んだようだ。本作は基本プレイ無料の『オーバーウォッチ』風なライブサービスヒーローシューターで、マーベルというブランド力の恩恵もあるが、わずか3日でプレイヤー数が1000万人に達し、ユーザーの心をつかんでいるのは間違いない。 『マーベル・ライバルズ』のゲームディレクターを務めるタデウス・サッサーはVideoGamer.comのインタビューで、『CONCORD』は「独自の価値ある提案を何も用意していなかった」ことが失敗の一因になったと指摘。ヒーローシューター市場全体としては、ライブサービスゲームには、すでに成功した作品をプレイしているユーザーが、時間とお金をつぎ込んでいたとしても乗り換えようと思うような魅力が必要だとした。 「乗り換えにはコストがかかります」とサッサーは言う。「私はすでに『オーバーウォッチ』につぎ込んでいて、ファラのスキンを15種類持っています。ほかのゲームには行きません」 結局のところ、この市場は予測が非常に難しく、ゲームの開発元は実際にリリースされるまで自分たちのゲームがどのくらい人気になるかわからないという。 「ゲーム開発者としては、ユーザーの反応を見るまではつねに不安なんです」とサッサーは続けた。「実のところ、正確に予測できる人はいないと思いますし、そうでなければ今日のゲーム業界はまったく異なるものになっていたでしょう。“うまくいくだろう”と思っていたゲームが失敗したり、“失敗するだろう”と思っていたゲームが大きく成功したりするケースはたくさんあります。ですから、先を読むことはとても難しくて、いつも心配してしまうことになるんです」 『マーベル・ライバルズ』に関して、サッサーは、そのスーパーヒーローという要素が、ユーザーが気に入っているゲームを離れてでも試してみようと思った理由ではないかと考えている。 「皆さんはどうかわかりませんが、私はこのゲームのコンセプトを聞いて、“ヤバい。ストームになりたい。ドクター・ストレンジにもなりたい。ゲームであのヒーローになれたら最高だ”と思いました。当然、ゲームで実現できるであろうクールな要素がすぐに頭に浮かびました。この点が、人を惹きつける部分だと思います。私たちが作品をうまく作れていれば、ユーザーはゲームを気に入ってくれて、もっとプレイしたいと思ってくれるでしょう」 NetEaseとしては、『マーベル・ライバルズ』のプレイヤー数をできる限り多く、そしてできる限り長く維持する(最近のライブサービスゲームでは特に難しいことが判明している)だけでなく、社内の収益予測を達成できるだけの稼ぎを出したいと考えている。その目標に向けて、本作ではバトルパスとプレミアムスキンを販売しているが、プレイヤーに財布のひもを緩めようと思わせることはできているのだろうか。序盤の流れでは、Steam版の最大同時接続プレイヤー数が48万人を超えるなど、うまくいっていることが示されている。 なお現在、『マーベル・ライバルズ』ではアイアンマンのコスチュームを無料で配布中だ 。 利用期限は2025年3月6日8:59まで
『マーベル・ライバルズ』の開発者、『CONCORD』が失敗した原因やヒーローシューター市場への参入の難しさについて語る - Part 2
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Wesley Yin-Poole