試合は前後半で得点を重ねた東山が勝利 京都共栄は決勝進出を逃す
また、この試合の先制点はCKから生まれたが、準々決勝の城陽戦の先制点もセットプレーから決まっている。そのセットプレーを任されているのが、今年からチームに加わった平井直人GKコーチだ。現役時代は京都サンガで14年間プレーし、Jリーグ通算出場数は200試合を超える。高校3年間は京都サンガユースに所属していたが、学校は東山高校に通っていたOBであり、母校サッカー部への就任となった。福重監督は「彼の経験値はチームにとってプラスにしかならない。プロの世界と高校サッカーの違いはあるが、そこは柔軟性を持ってやってくれる」と期待を寄せている。平井GKコーチも準々決勝後に「セットプレーで取り組みだしたことが発揮できている。選手たちに自分が経験してきた、いろんなことを伝えたい」と意欲的だ。 この日は4年ぶりに復帰した正岡ジャイルコーチもベンチ入りするなど、新たな指導体制で2024年へ挑む。 敗れた京都共栄の内藤翔平監督は「球際にしっかりいけていなかった部分がある。相手との距離や反応の早さなど、動けるようにならないといけない。戦うところが弱かった」と反省の弁が第一声だった。昨年は京都府1部リーグから昇格して初挑戦となったプリンスリーグ関西2部でいきなり2位に入り、関西1部リーグへの昇格を果たすなど関西での注目度を上げた反面、京都府内ではトーナメント戦でまさかの敗戦を味わうという悔しさもあった。「今大会は(ここ数年で)負けたチームとばかりの対戦でした。まずはベスト4まで勝ち進む、そこはやれました。でも東山さんや京都橘さんのレベルになると基準がグッと上がる。自分たちの基準もそこへ上げていかないといけない」と指摘する。 キャプテンのDF大野洋翔(2年)も「個人のところで負けているところが多く、力の差を実感しました。自分たちの強みをなかなか出せなかった」と振り返っている。新人戦全体では「準備することの大切さを感じた。日常の過ごし方や試合への準備など、みんなで集まって話す機会を大会中は増やしました」と話している。昨年の主力選手が多く卒業する中でチームとして、個人としてのレベルアップに取り組んで、春からは初のプリンスリーグ関西1部へ挑む。 (文・写真=雨堤俊祐)