能登49地区の孤立、県は想定も対策もなし…諦めの境地の住民ら「本当はここで死にたいんだ」
能登半島地震を教訓に、孤立集落をどう支援するのか各地で模索が続く。
県は11月、関係101機関が参加する防災訓練を実施し、通信大手KDDIなどと連携してドローンによる物資配送を検証した。輪島市は来年3月までに、孤立の懸念がある3地区に衛星通信網「スターリンク」を導入する。
南海トラフ地震への備えを進める大分県は防災対策を見直し、孤立が予想される地区の自主防災組織や個人宅に、食料などの備蓄を決めた。岐阜県は今月、孤立予想地域がある28市町村分の発電機や浄水器などの緊急用資材を県施設に配備した。3日分の食料と一緒にパッケージにして、有事にヘリで運ぶ態勢を取る。
輪島市や能登町では集団移転の検討も進む。宮島昌克・金沢大名誉教授(地震防災工学)は安全な場所への集住が「現状では最善の選択肢」とした上で、「生まれ育った場所で住み続けたいという意思の尊重も大事。孤立することを前提に、避難所などに衛星電話や自家発電機の配備などを平時から行うべきで、国の財政支援も必要だ」と指摘する。