フィリピンの刑務所から「脱出したい」、日本人逃亡犯が語る「獄中生活」の実態
●「この刑務所から逃げたい」
そもそもエージェントに数十万円の金を払ったのか。男は警察幹部に騙されたのか。エージェントは警察とつながってない詐欺師だったのか。すべてが謎のままだ。 逃亡者の哀れな末路であることは間違いない。フィリピン逃亡中に金だけ取られて殺された日本人もいる。死ななかっただけ、マシなのかも知れない。 男はパラニャーケ刑務所で筆者にこう話していた。 「性犯罪をしたのは事実です。60歳くらいまではフィリピンで暮らして、そのあとに日本の警察に出頭しようと思っていました。でも30代、40代での刑務所暮らしは嫌です。 このままだと日本に移送されてしまいます。その前に、この刑務所から逃げたい。お金があれば逃げられるかも知れません。お金を貸してくれませんか。倍にして返します」 身勝手すぎる言動に辟易とする。筆者は申し出を丁寧に断った。フィリピンの現地報道によると、男は複数の未成年の女性に対して重大な性犯罪を犯したという。8月25日現在、男との連絡が途絶えている。日本移送に向けた準備が進んでいるのかもしれない。