<欧州で中国のスパイ逮捕が続出>日本も甘言に惑わされず対中警戒の強化を検討すべき
2024年4月22日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、サム・ジョーンズ同紙ベルリン特派員の記事を掲載し、ドイツ検察当局が、シュルツ首相が国賓訪中から帰国した数日後にスパイ容疑でドイツ人3人が逮捕されたことが公表され、中国諜報機関の活動は強化されているので、ドイツ治安当局は、大企業の経営者に注意喚起している旨述べている。 ドイツ連邦検察当局は、ドイツ人夫婦らが共謀し、中国情報当局の命令でレーザーを含む機微な軍事技術を欧州から違法に持ち出し逮捕されたと4月22日に公表した。夫妻は、中国当局の連絡員とともに逮捕され、これはシュルツ首相が中国への国賓訪問から帰国して数日後に行われた。 首相の中国訪問の中心課題は貿易と開かれた市場であった。中国はドイツにとって最大の貿易相手国である。 フェーザー内相は、「ドイツの防諜は大成功」と称賛しつつも、中国のスパイ行為が西側企業にもたらす「大いなる危険」に警告を発した。ドイツの国内情報庁(BfV)のハルデンヴァング長官は、大企業の経営者達と会合を開き、中国の裏工作に注意を呼び掛けている。 昨年7月、彼は、「ロシアが嵐なら、中国は気候変動だ」と語った。この比喩は最近、他の西側の長官らも使っている。 検察官らによると、逮捕された3人組がどれくらいの期間、中国情報機関のために働いていたかは不明だが、容疑者たちの自宅や職場を、さらなる証拠を求めて捜索している。夫妻はデュッセルドルフで会社を経営し、ドイツの科学技術界に機密性の高い人脈を持っていた。
彼らは会社、大学、中国ビジネスパートナーの三者間で研究プロジェクトを立ち上げた。このビジネスパートナーは、実際には中国国家安全部(MSS)が設立した隠れ蓑だった。 そのプロジェクトの第一号は、軍用船の推進システムにおいて重要な役割を果たす「最先端の機械部品に関する研究だった。「逮捕されたとき、被告人たちは、中国の海上戦闘能力拡大を目的とした研究プロジェクトについて交渉を進めていたらしい。 検察官によると、このグループはまた、MSSの資金で購入した軍事用途の特殊レーザーを、申告せずに中国に輸出した。このような機器を許可なくEUから輸出することは違法である。 * * *