もっと「習近平」と連呼すべきだった…? 中国共産党の「大物大臣」が一夜にして「消された」ヤバい理由
「落馬」で監獄行き
日本で「落馬」と言えば、競馬ジョッキーの不慮の事故を思い浮かべるが、中国はチト違う。つい昨日まで偉そうにふんぞり返っていた幹部が、消えてしまうことを指す。つまりは監獄行きだ。 【写真】「富士山が見えないから」中国資本ホテルが隣人宅の木30本に除草剤を注入 5月18日晩、また一件の「落馬」が話題を呼んだ。唐仁健農業農村部長(農相)である。昨年3月に3期目の習近平政権が発足して以降、21人の部長(大臣)のうち、外交部長(外相)、国防部長(防衛相)に続き、すでに3人目の「落馬」だ。 思えば、2ヵ月あまり前に開かれていた全国人民代表大会(国会)で、唐部長は何百人もの記者を前に、堂々と「ぶら下がり会見」を行ったものだ。 「習近平総書記はこれまで何度も、食糧安全は政策の一丁目一番地であると述べてきた。わが国は20年連続の豊作を達成したが、習総書記は今年も食糧増産を明確に要求している。引き続きの脱貧困政策も習総書記の強い関心事項の一つだ……」
何度も「習近平」と言ったのに
このように、最近の幹部発言の流行にならって、至る所に「習近平」をちりばめていたのだ。 それなのに一体なぜ? 党中央規律検査委員会・国家監察委員会のHPで確認すると、発表文は漢字でたった44文字のそっけないものだ。 〈農業農村部党組書記・部長の唐仁健は、重大な紀律法律違反の疑いで、現在中央規律委と国家監察委の紀律審査と監察調査を受けている最中だ〉 汚職に加え、発言に「習近平」が足りなかった? 「週刊現代」2024年6月1日号より ・・・・・ さらに『「富士山が見えないから切った」…中国資本のホテルが隣人宅のヒノキ23本を無断伐採した、「身勝手すぎる言い分」』では、日本の常識を無視して中国人オーナーが起こしたトラブルについてリポートしています。
週刊現代(講談社)