「紙」テーマに造形 北國いけばな研究会5日から花展 21美で生け込み
第62回北國いけばな研究会花展2024(北國いけばな研究会、北國新聞社主催)は5~8日、金沢21世紀美術館市民ギャラリーAで開かれる。4日行われた生け込みでは、会員、アシスタント総勢28人が「紙」をテーマに、植物と融合した大作7点を完成させた。 二俣和紙の落水紙を素材とした華道家は、大小108個の球体を作って枝と共につるし、素材の面白さを伝えた。ケント紙で作ったギリシア神殿の柱のような造形物、アーチ、八重のカサブランカを並べて奥行きを出し、自らの「道」を表現した華道家もいた。 能登の地震へ心を寄せる大作も並ぶ。珠洲で被災した仲間を思い、造形した華道家は、細いひも状にした7メートル20センチの障子紙を滝のようにつるし、根付きの竹を滝に打たれながらも立ち上がる人物に見立てた。「沈んだ心に明るさを届けたい」と、紙で手作りした500個以上のバラをちりばめた花嫁衣装を仕上げた華道家の姿もあった。 生け込み会場で助言した同会相談役の大場吉美金沢学院大名誉教授は「造形、思いやテーマをしっかり表現した大作がそろった。日々の暮らしの中で磨かれた、生け花をベースとした空間造形の力を感じられる展覧会となった」と語った。 展示は8日まで。入場料は800円。出品者とアシスタントは次の皆さん。 ▽上田嶺和・草月流(山口嶺菖、湯浅嶺萌、松井和華)▽神野泉昌・草月流(佐野綾志、成木綾希、松田綾智)▽神島典子・池坊(山本奈生、神島朋生、泉元美紀)▽向瀬幸昌・草月流(山口典幸、岡田昭波、北山久幸)▽西加津代・池坊(宮田朝代、笠師郁子、小林恵子)▽西山秋喜・草月流(奥谷彩喜、久次美希子、吉田千恵子)▽川江栄秋・草月流(塩崎ちよ子、小利池澄子、御園真理亞)