菊池風磨に「許せない!」と叫ばせたドッキリGPの常識破り トップアイドルに「泥」「ハダカ」「スースー」を“提案した側”は「まさか企画が通るとは(笑)」
菊池風磨が「名フレーズ」を生み出せたワケ
「何度も確認しました(笑)。“本当に3つともいいんですか”って。今でも、この企画にGOサインを出してくれたSTARTO ENTERTAINMENTさんには感謝しかないです」 収録当日、何も知らない菊池風磨は、“まさか”すぎる内容のドッキリ三連続を仕掛けられると目が点になった。まさに茫然自失。思わず「許せない!」と叫んだ。 「『スターが誕生した』とスタッフ全員が確信しました。それほどまでに菊池君はリアクション、コメント、すべてにおいてすごかった。後日、彼に会ったとき、どうしてあのとき『許せない!』という言葉が咄嗟に出てきたの? と聞いたんですね。すると、菊池君は『僕は男子校だったから、カッコイイだけでは生き残れなかった。面白さが求められるので、その経験がいきたんだと思います』と教えてくれました。さらには、バラエティ番組が大好きだとも話してくれた。彼の来歴やこれまでの生き方が、あの奇跡的な瞬間を生んだ。番組が求めていたピースが埋まった瞬間でした」 この番組を機に、菊池風磨のバラエティ番組へ出演機会は急増。ついには、特番ではあるものの初単独冠バラエティとなる「菊池風磨の許せないTV」までスタートした。ドッキリによって、その魅力が知れ渡った好例だろう。
ディレクターたちにおカネの話はしない
蜜谷氏の言葉を借りれば、ドッキリは引っかかる側の人間性があらわになる。これは他番組でも変わらない。 例えば、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で放送された「ドッキリの仕掛け人、モニタリング中にターゲットのエグい秘密知っちゃっても一旦は見て見ぬフリする説」。高野正成(きしたかの)が、楽屋泥棒を働く後輩芸人の姿を見て頭を下げ、涙を流す姿は、往年の松竹映画を見ているような情感があった。彼の人間的な引き出しが、一つのドッキリを名ドッキリにまで昇華させた。いつの時代も、どうしてドッキリから新しいスターが生まれるのか? それは、ターゲットとなる人物が歩んできた人生、本質が、ドッキリという舞台装置によってほとばしり、「ハネる」からだ。 蜜谷氏は、「作っている僕たちが意地悪な存在に見えて、演者は愛されるような存在になる。それが僕たちの目指すところ」だと説明する。そのためには、「全力でどっきりを仕掛けるしかない。ですから、ドッキリを考えるスタッフのスイングが小さくならないようにしている」と続ける。 「一例を挙げると、ディレクターたちに予算の話はしません。今は時代が変わりましたが、僕が入社した当時は、“ディレクターにお金の話はしない”という文化がありました。『予算がこれだけしかない』と伝えてしまうと、その枠の中で考えてしまい、アイデアが尻つぼみになってしまう。予算の中でどうやりくりするかを考えるのは、僕たちプロデューサーの仕事ですから」