存在感が薄い「立憲・野田氏」が「国民・玉木氏」から主導権を奪う方法 企業・団体献金廃止と“もうひとつ”の意外な秘策 古賀茂明
■与野党交渉の切り札となる「同性婚」 今週はそのうちの一つだけを紹介したい。それは、同性婚を認める民法改正だ。 これについては、11月5日配信の本コラム「支持率32%まで落ちた『石破茂首相」が再浮上する唯一の方法 それは『安倍政治」の完全否定だ』で紹介したとおり、同性婚を認めない現行の法制は憲法違反かどうかが争われた全国5地裁の六つの裁判で、違憲2件、違憲状態3件、合憲1件と判断が分かれていた。しかし、今年3月の札幌高裁判決に続き、10月30日に東京高裁でも違憲判決が出て、流れがほぼ決まった。マスコミも大きく報じ世論の関心も高まっている。 同性婚を認める民法改正については、ほとんどの野党は賛成だが、国民民主は賛成の立場をとっていない。右翼の支持層に配慮してのことだろう。議論を通じてこの点に光が当たれば、国民民主への支持が下がる可能性が高い。 自民もこれには反対の議員がまだ多いが、実は、石破首相は個人的にこれに賛成の立場だ。予算や重要法成立との取引のために、野党が民法改正案を出せば、賛成に回る可能性がある。 同性婚はほんの一例だ。これらに限らず、立憲が目指す将来の国家像を示しつつ、自民との間で単なる人気取りではないとわかる責任ある態度での論戦を国会や公の場で堂々と行い、国民民主などとの違いを際立たせることができれば、自民の裏金などのスキャンダルだけに頼る党勢拡大策を脱して、長期的に持続可能な支持率向上の王道が開かれるだろう。 その先には来夏の参議院選での大躍進、そして、それと同時に行われるダブル選挙あるいはそれがなくてもそれほど遠くはないと思われる衆議院の選挙において、自民を上回り、比較第1党になって、立憲主導の内閣を実現することにつながるのではないだろうか。 珍しく、夢のある話になったが、実はこうした楽観論に思い切り冷や水を浴びせられるような話を立憲若手議員から聞いた。 その話を始めると長くなりすぎるので、今回は紹介できなかった野田代表が取り上げるべき企業・団体献金や同性婚以外のテーマとともに、次回以降にお伝えすることにしたい。
古賀茂明