天皇陛下とアフリカ 子どもの頃からの“親しみ”【皇室a Moment】
■野口英世の業績を見つめたガーナ
――どんな旅だったんですか?
訪問はガーナから始まりました。天皇陛下はイギリス経由でガーナの首都アクラに到着されると、民族衣装を着た人々の踊りや太鼓などで出迎えられました。 ――にぎやかですね。 ガーナなど熱帯アフリカは、風土病の黄熱病で知られます。今の千円札の肖像に描かれている細菌学者の野口英世は黄熱病の研究に心血を注ぎ、ガーナで亡くなりました。
滞在中、陛下は野口英世の研究室を訪ねて足跡をたどり、シンポジウムでもお言葉を述べられました。
現地で亡くなった青年海外協力隊員4人の慰霊碑も訪問されています。花を捧げ拝礼されました。
移動中、陛下は幹線道路脇にある路上マーケットにも立ち寄られました。地元の女性たちが近くで採れたマンゴーなど果物や野菜、特産品などを売っていて、陛下は興味深そうに見て回られました。 天皇陛下:「これ全部(ヤムイモ)」 地元の女性:「小さい。でも日本と同じ、沖縄(のヤムイモ)と」 途中からスコールに見舞われ、陛下も取材陣もびしょ濡れになって大変でしたが、陛下がとても楽しそうにされているのが印象的です。 ――私もアフリカに行ったことがありますが、こういう路上マーケットって、ぽつんと雄大な自然の中にあるので、まさか陛下がこういった所に訪れていたとは……。現地の方はびっくりされたでしょうね。
■雄大な自然に触れたケニア、マータイさんとの植樹も
続いて2か国目、陛下はガーナから空路6時間、ケニアに移動されました。ケニアは日本の1.5倍の国土に、5000万人あまりが暮らす赤道直下の国です。首都ナイロビでキバキ大統領を表敬し、日本人学校を訪ね、ケニアで孤児院を開設している日本人女性らにも会われました。
翌日は、日の出を待って宿舎を出発し、サイやゾウ、キリンなどが棲息する「スイートウォーター動物保護区」に向かわれました。アフリカ第2の高峰、標高5199メートルのケニア山を望む絶景の地でのサファリツアーです。