《ノーノー達成》巨人・戸郷翔征(24)はなぜ“ドラフト6位”の低評価だった? 日本代表を圧倒も…関係者「あんなフォーム、怖くていじれない」
「宮崎県選抜」が「日本代表」を圧倒
サイドハンドにも、スリークォーターにも見える独特の角度から、豪快に腕を振って投げ込むフォームは、基本、今の戸郷投手と変わらない。だが、当時のほうがかなり暴れている印象のフォームだったから、打席で立ち向かうバットマンたちも、ちょっと腰が退けぎみだったのは確かだった。 そこに145キロ前後の速球と曲がりの大きなスライダーで真っ向全力投球の勝負をかけてくるのだから、全国有数の選手たちも面食らってばかり。さらに速い動きのチェンジアップを交えてくるから、なかなかバットに当たらない。 初回2死三塁、予定外のリリーフのマウンドに上がり、そこから6回までのロングリリーフ。アウト16のうち9つの三振を奪ってみせたから驚いた。 たまたま取材で現場にいたので、戸郷翔征のマウンドさばきやダグアウトに戻って来る時の表情を、間近で見ていた。 ちょっとアゴを上げめにして、別に意識してそうしているわけじゃなかったのだろうが、相手からすれば、挑発されているように見えたのでは? 強烈な目力で、打席に入ってくる打者をにらみつけるように迎え入れる。いい根性してるなぁ。いつのまにか、私のほうがファンになっていた。 投げるボールにも、打者と向き合う内面にも「キバ」があった。このピッチャーが使えなくて、誰が使えるのか。自信があったから、事あるごとに、スカウトの方たちに評価を訊いていた。 「面白いタイプですけど、アーム投げ(※腕を曲げずに投げる投げ方の俗称。一般的には故障のリスクが大きいと言われてきた)でしょ……あずかった人(コーチ)が苦労するだけ」 「うーん……ブン投げですからねぇ。コントロールがねぇ」 その宮崎では、「ブン投げ」のわりには、両サイドにふた通りのラインが作れて、「大丈夫かな」と思っていた右打者の頭方向へ抜けるボールも1つか2つ。それでもプロで前例のないタイプだったせいか、スカウトたちの反応は煮え切らなかった。 ちなみに私は、毎年独自に行っているドラフトシミュレーション『ひとりドラフト』で、聖心ウルスラ高・戸郷翔征投手を「巨人3位」で指名したことを内心、自慢に思っている。
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