伝統芸能、地域に広める 松ケ崎小 獅子舞、あすの文化祭で披露 三重・松阪
3、4年生が練習重ねる
三重県松阪市松崎浦町の市立松ケ崎小学校(大瀧剛校長、31人)の3、4年生10人は、地元の伝統芸能「松崎浦獅子舞」の由来を広く知ってもらおうと、住民らを招いて9日に開く同校の文化祭「まっさきフェスティバル」で劇を披露する。同校の体育館で練習を重ね、7日午後1時45分からは学んだことを踏まえて獅子の動きを確認するなど稽古に励んだ。 同地区の獅子舞は明治時代から同町の松ケ崎神社で毎年、正月三が日の厄払いや子供の成長を祈願して奉納されてきた。しかし後継者不足を背景に1960(昭和35)年ごろ保存会が立ち上がり継承保存に努めている。 3、4年生の児童らは夏休み明けから、松ケ崎神楽保存会(城代征俊会長、約15人)の城代会長(48)を講師に迎えて、獅子舞について学習。これまでの授業で「松ケ崎神社に眠る獅子が正月に一軒ずつ家を回る」「獅子は尾っぽの結びに悪魔を吸収するので、ほどいたり触ってはいけない」「天狗(てんぐ)の導きで獅子が舞う」ことなどを学んだ。 その中で、城代さんの「地元の獅子舞を知ってほしい」という気持ちを知り、自分たちにできることは劇にして発表してたくさんの人に知ってもらうことだと考えた。そこで「ししまい大作戦」と称して、文化祭で松崎浦獅子舞についての劇を披露することにした。 この日は城代さんを迎えて劇を練習した。てんぐ役の児童が、竹の先を細かく割った「ささら」で音を鳴らして獅子を導き、獅子役の児童は頭を振り上げた後にぐっとにらみつける動作などを練習した。 城代さんが「獅子は悪いものを払ってくれるから、にらまなあかん」と獅子をかぶって実演すると「怖いー」「すごい」などの声が上がり、児童らもそれをまねて稽古した。 3年の坂口大虎君は「みんなで協力して(舞台を)成功させたい」、4年の松本悠月君は「松ケ崎の獅子舞をみんなに知ってほしいです」とそれぞれと話した。