元貴景勝の湊川親方「ずっと足元を見ていた」突き落としの極意は目線 豊ノ島と対戦すれば…
大相撲の元関脇でタレントの豊ノ島(41)が20日、自身初めて開設したYouTubeチャンネル「豊ノ島のお相撲ちゃん」を更新。ゲストに元大関・貴景勝の湊川親方を迎えた。 【写真】2010年九州場所13日目、鶴竜を左四つ、右ハズで寄り切る豊ノ島 既に現役引退した2人が相撲について語りまくる内容。「実際に対戦できなかったけど、対戦したかった力士」に2人はお互いを挙げた。湊川親方は「対戦したかったのは豊ノ島さんですね。なんで、あんなに中に入れるんだろうと。どういうメカニズムなのか。自分は差されない自信があるけど(豊ノ島には)入られるのかなあ…」と独特の技術に興味津々。豊ノ島は身長1メートル68の小兵ながら、大型力士のように立ち合いは胸で当たり、巧みに得意の2本差しに持ち込んだ。2本差せなくても左が入れば地力を発揮し、2010年九州場所は14勝1敗で横綱・白鵬と優勝決定戦に臨んだ(敗れて準優勝)。 一方、豊ノ島は「湊川親方(貴景勝)は突き押し一本じゃん。(両手を繰り出す)角度とリズムがいい。その流れの中に突き落とし(左からのいなし)を入れて。なんで、みんなあんなに(突き落としを)食うのかなあと。それが凄い(不思議に感じて)やってみたい」と説明した。貴景勝は身長1メートル75。立ち合いはぶちかまして、リズムのいい突きを繰り出す。タイミングよく放つ左いなしで一気に形勢有利に持ち込むのが必勝パターンだった。 豊ノ島が「でも、ぶっちゃけ(豊ノ島とは)やりやすそうでしょ?」とツッコミを入れた。湊川親方は「いや、やりにくいと思います。稽古もしたことなくて本当に未知なので。いちばん危険なのは立ち合い。立ち合いで差し込まれずに一度、離れれば(その後は)差されないかなと思いますけど。でもビデオ見ていると(豊ノ島は)立ち合いがうまい。そこがどういうメカニズムで入ってくるのか」と考えを説明した。 そして主な武器だった突き落とし(左からのいなし)について“ネタバレ”した。「突き落としはずっと相手の足がそろうのを見てるんです。(バランスを崩されないよう立ち合い直後は左右の足を前後にズラしていても)何回も当たると、だんだん相手は足がそろってくるんですよ。そろった瞬間に(突き落としに)いきます。(頭を少し下げ、頭から)当たっているフリをして(相手の)足元を見てます。でも、それは絶対にバレたくないので。(自分の顔をなるべく上げて相手の顔を)見ている雰囲気を出しながら、ずっと下を見てました」と解説。豊ノ島は「へえ~」と納得の表情だった。 さらに湊川親方は「でも豊ノ島さんと対戦したら絶対に突き落としにはいかないと思います。(突き落としのため体を)左に開いた瞬間に右を入れられるから。徹底して時間かかってもいいから突き出しを狙ったんじゃないかなと思います」と話した。非常に細かい解説を聞かされた豊ノ島は「もうシミュレーションで、頭の中で俺と相撲を取っているねえ」と感嘆の声をあげた。湊川親方は「やっぱり差し身がうまい力士に対し、一瞬でも脇を開く動作を見せたらダメなんですよ。何回か、それで負けたことがあるので」と付け加えた。