<私の恩人>ガダルカナル・タカ たけしさんは唯一の師匠!オレには弟子の人生は背負えない
試合が終わって何日か経って、たけしさんがオレらのカラオケスナックに来てくれた。「汚ねぇ店だな」とか「今月中には潰れるだろ」とか言いながら飲んでたんだけど、最後に「あんちゃんたち、どうすんだ?」と。「人数を集めて、面白いことをやってみようと思ってるんだけど、一緒にやらないか?」って声を掛けくれた。そして、始まったのが、あの「スーパーJOCKEY」(日本テレビ系)だったんだよ。 たけしさんはリサーチをしっかりやる人だから、オレたちが当時どんな状況なのかを調べたうえで、手を差し伸べにきてくれた。それがなかったら、今のオレと枝豆はないし、その思いに報いなければというのが、今日まで続いてるんだよね。 今でも、朝、楽屋に挨拶に行って「おう」と言葉をもらうまでは、とんでもなく緊張する。何年やっても、この緊張感はとれないんだよな。 とてもじゃないけど、オレは弟子をとれない。オレが知ってる師匠は、たけしさんだけ。弟子をとるということは、たけしさんのように相手の人生を背負うということだからね。残念ながら、オレには、そんな度胸はないもんね(笑) (聞き手/文責 中西正男) ■ガダルカナル・タカ 1956年12月16日生まれ。静岡県出身。井口薫仁(いぐち・たかひと)。81年、つまみ枝豆とお笑いコンビ「カージナルス」を結成。日本テレビ系「お笑いスター誕生」で脚光を浴びるものの、所属事務所の倒産などを経験し、「たけし軍団」入り。自称“さわやかなヨゴレ”。妻はフリーアナウンサーの橋本志穂。 ■中西正男(なかにし・まさお) 1974年大阪府生まれ。大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。大阪報道部で芸能担当記者となり、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、芸能ジャーナリストに転身。現在、関西の人気番組「おはよう朝日です」に出演中。