「カミソリシュート」平松政次氏が明かしたONとの戦い裏話…長嶋氏が打つ直前にとった驚きの行動 幻と消えた巨人へのトレード話とは?
巨人戦フル回転で後楽園にどよめき
入団4年目の昭和45年には25勝を挙げて最多勝と沢村賞を受賞するなど大洋のエースとして君臨していた平松氏。 ジャイアンツ戦ではフル回転していて当たり前のように連投していた。 昭和45年には8月26日の巨人戦で完封した翌日にリリーフ登板。昭和46年には5月29日と30日の後楽園で連投し、さらに昭和47年7月20日には後楽園のダブルヘッダーでも連投している。 平松: ダブルヘッダー2試合目のときのファンの観衆のどよめきというんですか。 徳光: 後楽園ですから、それは巨人ファンのどよめきですよね。 平松: 「ピッチャー、平松」とアナウンスされると、「また平松か~」ってウワーッとなるわけですよ。あの観衆のどよめきは一生忘れられませんね。 徳光: 巨人ファンとしては信じられないと同時に、「ああ、もうダメ」と、そういうため息ですよね。 平松: きつかったというよりも、こんな感動は得られないなという思いでしたね。
王氏には投げるところがなかった!?
平松: 王さんには本当によく打たれました。 左バッターの王さん側からすれば、胸元に食い込むボールはないですからね。シュートは逃げますから、全然恐ろしさがないと思うんですよ。 だから王さんにはもう本当によく打たれました。ホームランを25本打たれた。 徳光: よく覚えていらっしゃいますね。 王氏が放ったホームランは通算868本。そのうち25本を平松氏から打っていて、これは投手別では最も多い。通算対戦打率も3割7分0厘と、王氏は平松氏を打ち込んでいる。 平松: いや、もう本当に王さんには投げるところがなかったですね。 徳光: 長嶋さんには打たれまいと思って投げてたけど、王さんには打たれるかもしれないと思いながら投げていたとか。 平松: まぁ、長嶋さんを相手にするときほどの闘志はなかったような気もしますけどね。 徳光: 苦手は王さんだったわけですね。 平松: もう大の苦手でした。
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