「田辺と関わりたい」 関係人口講座で都会の応援団が農林業体験、和歌山
和歌山県田辺市の関係人口講座「たなコトアカデミー」の現地実習が22~24日、市内であった。「田辺と関わりをつくりたい」という都市住民12人が参加。第1次産業の現場を訪れ、梅やウバメガシの苗木植えやミカンの収穫を体験した。 【定数議論、結論出ず 議運が経過まとめ答申、和歌山県田辺市議会の記事はこちら】 関係人口は「観光以上、定住未満」。すぐに移住は難しいけれど、地方と関わりを持ちたいという層を指す。市の講座は6期目。これまで5期67人が修了し、梅の収穫に駆け付けたり、東京での物産販売を手伝ったりとそれぞれのスタイルで関係を深めている。 23日に上芳養であった実習では、梅の木の植え替えや剪定(せんてい)に挑戦した。梅の木は20年ほど収穫できるが、この日は若いけれど生育の悪い木を抜いて、2年生の苗木に植え替えた。1人1本ずつ担当し、植えた苗木に名札を付けた。 指導した農業の岡本和宜さん(45)は「これから年に数回、収穫や剪定などで訪れ、苗木の成長を見守ってほしい。仕事はいろいろあるので、いつでも大歓迎」と呼びかけた。 広島県の会社員、貴船桃佳さん(27)は「今年結婚した夫が和歌山県上富田町出身で、盆や正月に帰省する紀南に関係人口として関わりたい」と応募した。夫との仲が進展した要因の一つが大好きな梅酒で、梅の産地にも興味を持ったという。 「普段はスコップを持つこともないけれど、作業は楽しかった。さまざまな体験をして、いろいろな人とつながり、何ができるか模索したい」と目を輝かせた。 東京都の会社員、橘佑季さん(41)は、2月にウェルビーイング(心身の健康と幸福)のセミナーでみなべ町を訪れたのをきっかけに、たびたび紀南を訪問している。小学2年生の双子男児を育てており、「温かい人が多い。日常の中で、自然と触れ合っているのが驚きだった。こんな環境で子育てできたらいい。教育移住も視野に考えている」と話した。
紀伊民報