新潟「マッシュルーム」初売りレポート──100年以上前のカバーオールがミントコンディションで登場
国内のみならず、海外のフォロワーも多い名店が初売りで繰り出すお宝をチェック! 【写真を見る】それぞれのディテールをチェック!
新年、めでたきもの
新潟「マッシュルーム」の2025年初売りがスタート。今年は1月3日9時から開始した。昨年は、1890年代のリーバイスのヴィンテージジーンズを3800万円で販売し、大きな話題を呼んだ。2025年の初売りも、同店ならではの豪華なラインナップだ。 初売り商品について、オーナーの土田鏡に訊いた。 「毎年、初売りだからといって気合いを入れるということは特になく、うちらしいアイテムをお出ししています。ただ”めでたい”という意味では、20年代のリーのカバーオールと、10年代のカーハートのカバーオールは、新春の初売りにふさわしいスペシャルな商品かと思います。前提としてどちらのアイテムも、まず見つからない。仮に見つかったとしても、着用できるサイズではまず出ない。特にカーハートのカバーオールは、私自身も実物を初めて見ました。ぜひ店頭で実物をご覧になっていただきたいです。もちろんスペシャルヴィンテージ以外にも、お手頃のアイテムも準備しています。特にアウトドア系では、パタゴニアやエディバウアーなど、人気ブランドのアウターが多数あり、これも見応え抜群だと思います」 同店は「おやひこさま」と親しまれ、越後一宮である彌彦神社のふもとに立地する。初詣の際に立ち寄るのもおすすめだ。 ■カーハート カバーオール 1910年代 デッドストックと言っても過言ではない、超ミントコンディション。いまのヴィンテージ市場で最も人気が高いカーハートのもの。100年以上前のカバーオールがこの状態で、しかもサイズ42で見つかること自体が奇跡だ。今年の初売りの目玉商品。 ■Lee L-91J 1920年代 チンストラップ付きでフロントはチェンジボタン。いまや幻の存在と言っても過言ではないレアピース。100年前のワークウェアならではの荒々しい色落ちに加え、38インチという着用可能なサイズも魅力だ。 ■スカジャン 1950年代 ブラックの別珍にスカルとスネークの刺繍が際立つ、通称”スカルスネーク”柄は、ヴィンテージスカジャン市場で最も希少価値が高いとされているもの。中でも50年代中期に製造されたとされる袖に龍の刺繍の入るこちらは、特に人気が高い。 ■Levi's S501XX 44年製の大戦モデル。革パッチもしっかりと残った優良コンディション。トップは月桂樹ボタンで、股のフライ部分はリーバイスのロゴ入りボタンがつく。さらにサイズもW36×L30と、非のどころなし。 ■Levi's 506XX 第二次世界大戦終戦直後に製造された、1946年のモデル。フロント右下部には、当時のオーナーがつけたと思われる、カバーオールのポケットが付属しているという珍品だ。サイズも44と大きめ。カスタムされたポケット一つでさまざまな想像が膨らむのも、ヴィンテージアイテムならではの魅力だ。 ■USARPナイロンジャケット 「USARP(=United States Antarctic Research Program)」とは、1959年に設立された南極大陸に駐留し、アメリカに所属し、南極大陸で行われる科学研究と、南極洋上の船に関する物流を管理する組織。このジャケットは、そこで働く防風用のシェルとして支給されたもの。おもにアウターの上から着用されていたという。ヴィンテージミリタリーの中でも、目の肥えたマニアの間で特に人気が高い。 ■70年代パタゴニアパイル地パーカ パタゴニアヴィンテージの中でも特に人気が高いパイルジャケットの中でも、フード付きという非常に珍しいもの。フード付きの場合、見つかっても小さいサイズが多いが、こちらはXL。しかもミントコンディション。数々のお宝を目にしてきた同店でも、今回が初めての取り扱いであるという。
文・オオサワ系 写真・吉沢浩二 編集・岩田桂視(GQ)