中学受験、親がどこまでサポートするのが正解? 悩めるママ3人に、受験のプロがアドバイス
仕事をしながら子どもの中学受験のサポートをするのはとても大変です。子どもの伴走と仕事の両立はどうしたら? そして、親はどこまでサポートしたらいいのでしょうか。自身も受験生の親を経験した、きょうこ先生こと安浪京子先生に聞きました! 子育て情報誌「AERA with Kids 2024年春号」(朝日新聞出版)からお届けします。 【図】やるべきことが整理できる!1週間スケジュールシートの記入例はこちら 座談会参加者 ○Kさん(大阪府)/小6女子、小3男子を持つシングルマザー。会社を経営する多忙な日々。食事などのサポートは隣に住む祖母にヘルプを頼む。 ○Hさん(広島県)/難関国立附属中を志望する小6女子と、手探りながら勉強中。夫はほぼノータッチなので、パートと勉強のサポートに奮闘する日々。 ○Fさん(東京都)/中3女子、中1男子、小5男子を育てる。昨年受験を終えた先輩ママとして、葛藤と努力の体験をシェアしてくれた。 ■受験をする理由も多様な時代に 安浪先生 今回はお仕事を持っているお母さんにお集まりいただきました。受験と仕事の両立は本当に大変。それでも、あえて受験に挑戦した理由を教えてください。 Kさん うちはもともと中学受験は考えていませんでしたが、4年生の時に娘が自然と受験をしたいと言い出して。中堅クラスに志望校を定めて娘なりに頑張っています。でも、自分からやると言った割には、そこまでやる気が見られず、イライラしちゃいます。 安浪先生 受験はしたいけど、やる気は出ない。イライラしますね(苦笑)。 Hさん 私は週4回、パートで働いていて、時間の余裕はあるほうですが、私も夫も中学受験は未経験。娘が「将来は地元の国立大学を目指して附属に行きたい!」と言い出したのをきっかけに塾に通わせましたが、未知の世界で……。本人は楽しく塾に通っているものの、学力がついているかというとそうでもない。どうサポートすればいいか悩みます。
安浪先生 KさんもHさんも、お子さん自身が受験を希望したものの、伸び悩みがあると。Fさんはこの春に中学受験を終えた息子さんを持つ先輩ママ。受験を終えて、いかがでしたか? Fさん うちは3人きょうだいのうち、上の2人が中学受験を経験しました。長女は目的がはっきりした子で、受験は順調に進みました。だから息子も小4から「アスリート型受験」で頑張ろうと思っていたのですが……。ふたを開けてみると、息子の受験サポートはとても大変でした。 安浪先生 お姉ちゃんの時のようにはいかなかったんですね? Fさん 実は5年生のころ、学校でいろいろあり不登校になってしまったんです。一時は塾もやめて、中学はフリースクールに行くことも考えました。でも6年の夏に、本人がやっぱり受験をしたいと希望し、改めて仕切り直し、塾を選び直したんです。 安浪先生 塾はどんなところに? Fさん 不登校の子に特化した個別塾にお世話になりました。志望校も無理のないところで頑張れるよう、ゆるめの受験に切り替えました。 安浪先生 なるほど、なるほど。結果、本人が望んだ学校に合格できたということで、本当に良かったです。お母さんもよく支えられましたね。 ■父親はノータッチ!? 協力を得るコツは 安浪先生 ところでみなさん、共働き家庭での受験ですが、お父さんはどのように関わっていますか? Hさん 夫は受験に関しては、まったくノータッチです。むしろ夫が帰宅したら必ずテレビをつけて団らんタイムになるので、勉強は一旦ストップ。 一同 えー!(驚) 安浪先生 お父さんは受験に反対ではないんですよね? Hさん 反対ではないですが、そこまで乗り気ではないのも確か。塾で勉強をしていればどこか受かるだろうという感覚で、娘が楽しく通えるなら公立でもいいと思っているようです。 安浪先生 でも、そこはもう少しすり合わせをしないと、国立附属を目指すのは厳しいですよね……。 Hさん はい……。娘も私も今のペースで難関校は厳しいとわかり、目標を見失ってしまっているところがあります。2教科に絞って志望校を選び直したほうがいいのかも迷っています。