【インタビュー】阪神・大竹耕太郎 楽しく、ポジティブに「常に『○○になっていく』という考え方を持つようにしている」
オンとオフを分ける
阪神・大竹耕太郎[投手/6年目]
激しい競争社会の中で、結果を残さないと生き残れない厳しい世界。結果を求めながらも、それよりも先に大事なことが見つかった。現役ドラフトで移籍したことで、見えたこと、気が付いたことを生かし、マウンドに上がる楽しさを味わっている。 取材・構成=椎屋博幸 写真=宮原和也、桜井ひとし 青柳晃洋、西勇輝という実績のある投手が勝ち星を伸ばせない中、阪神は首位争いを演じている。その原動力は現役ドラフトでソフトバンクから加入した左腕の、好投に次ぐ好投によるものだ。なぜ好投が続くのか? すべては気持ちの面での改善にあった。 ――ここまで5勝、負けなしです。素晴らしい投球が続いています。 大竹 本当に勝ち負けは意識していないんです。オープン戦から1試合1試合投げている中で、出てくる課題、自分の悪いクセが分かってきたという感じです。その悪いアクをすくって、取り除きながら投げているという感じです。 ――そのピッチングというのは、シーズンに入る前に出来上がったのでしょうか。 大竹 シーズンに入ってからも変わらず1球1球、この球をどう投げて抑えようか、とだけ思っているので、その結果が5勝につながっているのかな、とは思います。 ――1球1球を真剣に投げていくと、疲れが出てくると思いますが。 大竹 そこは、試合でいかに集中力を高めるか、が大事で、そのためには試合以外でダランと気を抜くというか、リラックスすることを気を付けています。 ――今までもそういう流れでマウンドに上がっていたのでしょうか。 大竹 去年までは練習から目いっぱいでやり、その状態のまま試合に入っていたので、オンとオフの区別がなく、半分だけやる気のスイッチを押している状況でした。今年は、試合が近づいてくるたびに、メニューを軽くして、いざゲームに入ったときに、自分の力をMAXに持っていくように意識しています。 ――ブルペンから力を入れていくのか、試合のマウンドに上がってからなのか、どっちでスイッチを入れるのでしょう。 大竹 ブルペンでもあまり力を入れないようにしています。最後の5球くらいは力を入れますが……それくらいのほうが、試合になったときにいい力感になっています。ブルペンで力の限り投げたら、試合でもっとガチガチになるので(笑)。 ――きっかけは何かあったのでしょうか。 大竹 西(西勇輝)さん、青柳(青柳晃洋)さんは僕自身が先発ローテで1年間投げ切るには目指すべき存在です。その2人がキャンプのときからどういう過ごし方をしているのかを、じっと見ていました。 ――まじまじと、ですか? 大竹 横目でチラチラですかね(笑)。お二人ともオンとオフの強弱の付け方がすごくうまいな、と感じたんです。ずっと長くきつい練習をするのがいい練習か? と言われたら・・・
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週刊ベースボール