利便性のための結婚「ラベンダー・マリッジ」に復活の兆し?
「幸せな人生のための解決策」として、「ラベンダー・マリッジ=便宜結婚」に興味を持つZ世代がSNS上で増えている。 【動画】「ラベンダー・マリッジの相手を募集」するインフルエンサーのロビー・スコット 従来の結婚制度を疑問視するZ世代の間で、ラベンダー・マリッジが盛り上がりを見せている。型破りなこの結婚の原理は単純だ。愛のために結婚するのではなく、「利便性」のために結婚するのである。 この風習は、1920年代初頭の米ハリウッドで、自らの性的指向を隠そうとした俳優たちによって生まれた。紫色は同性愛を象徴する色だ。それから1世紀後のいま、TikTokを中心に、ラベンダー・マリッジが再び注目を集めているのだ。 ラベンダー・マリッジブームは、インフルエンサーのロビー・スコットに所以する。2024年9月、スコットはTikTokに1本のビデオを投稿。その中で「ラベンダー・マリッジの相手を募集」したのだ。彼の目的は、経済的負担を分かち合うこと。「好きな時に好きな相手と会えばいい。そんなこと、僕にとってはどうでもいいし、むしろそれを勧めるよ」。「僕がお願いしたいのは、毎月の支払いの時期が来たら、半分を払ってくれることだけ」。 この投稿にはすぐに数々の反応があった。再生回数は560万回を記録し、こうしたプラトニックな結婚を絶賛するコメントがついた。「私と15年来の友人もラベンダー・マリッジをしています。家を持ち、車を持ち、バイクも持ち、一緒にバカンスにも出かけたりもします。6年間こうして暮らしていますが、もう元には戻れません」。あるいは、「8ヶ月前にラベンダー・マリッジをしました。20年間一緒にいた元パートナーより、いまのほうがもっと愛情と気遣いを感じます」と打ち明けた人もいる。
「夫婦」の再解釈
ラベンダー・マリッジは「ジョーク」ではないのだ。経済的なメリットに加えて、無性愛者や恋愛に興味のない人々も包括する、「画一的な夫婦の解体」が、一部の人々から称賛されている。「他人に恋愛感情も性欲も感じない自分にとって、この結婚スタイルがぴったりだと思う」とある女性もコメントに書いている。 ラベンダー・マリッジは、その安全性と経済的利点から魅力的に映るかもしれない。だが、その危険性を警告する専門家もいる。心理学者のクリスティン・デヴォアは、米「ビジネス・インサイダー」で、こうした結婚が適切に機能するためには、明確なルールとしっかりとしたコミュニケーションが必要だと注意を促している。 From madameFIGARO.fr ※この記事は、madameFIGARO.frで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 text: Alexandra Marchand (madame.lefigaro.fr) translation: Shion Nakagawa