「天然の炭酸水が湧く」日本唯一の場所は過疎化が進む人口1762人の町だった!ふるさと納税で人気集めるも「いまだに風評被害が」
連日の猛暑が続くなか、帰宅したら冷たい炭酸水でリフレッシュする方も。最近すっかり身近になった炭酸水ですが、実は日本では唯一、福島県金山町に軟水の天然炭酸水が採水できる場所があります。なぜ自然に炭酸が湧き続けているのか──。 【写真】「ラベルデザインも素敵」サミットなどで使われた「天然炭酸の水」他 地元の方が「町の宝」と呼ぶこの炭酸水の採掘と販売を手がける会社・ハーベスに取材すると、意外な事実がわかりました。
■江戸時代に発見 旧会津藩も「太陽の水」と命名 ── 福島県金山町には炭酸水が自然と湧き出る井戸があるそうですね。どういう仕組みで炭酸が入るのでしょうか。
ハーベス大塩工場 宮坂工場長:詳しい調査が行われていないので厳密にはわからないのですが、金山町のこの地域だけ、炭酸ガスが噴出するほかと違った性質を持つ地層があるらしく、一帯で井戸を掘ると、炭酸水が湧き出ます。地元の保存会の方に話を伺うと、この近くの沼沢火山の噴火で沼沢湖ができた際に、その地層が生まれたと言い伝えられているそうです。 あとはこの地域が豪雪地帯で、地下水が豊富であることも影響しています。炭酸ガスが噴出する地層を豊富な地下水が通って、炭酸水として井戸から湧き出るそうです。
── お湯に入るとシュワシュワとした気泡が体につく温泉もありますね。そのイメージでしょうか。 宮坂工場長:まさにそれと同じで、この地域では天然炭酸湯の温泉もあります。全国にも炭酸温泉はいくつかあるのですが、飲用もできて販売されているものは当社ともう一社のみです。特に軟水の天然炭酸水ではここ金山町で採水できるものが日本で唯一のものとなっています。 ── どのように炭酸水が発見されたのでしょうか。 宮坂工場長:地元の保存会の方から伺ったのは、江戸時代に、ご自身の敷地に井戸を掘った方がいらして、そこから炭酸水が湧き出たのが始まりと聞いています。その後、明治初期頃からは万能薬のような感じで、健康にいいと言うことで近隣に広まって飲まれるようになったそうです。