今話題の友近主演YouTubeドラマがついに再生回数360万越え!昭和の2時間ドラマを蘇らせたのは平成生まれのテレビ制作者/シリーズ化ファン熱望!次なる舞台は…?
今年9月に公開された友近サスペンス劇場『外湯巡りミステリー・道後ストリップ嬢連続殺人』が話題になっているのはご存じだろうか。 【友近サスペンス劇場『外湯巡りミステリー・道後ストリップ嬢連続殺人』】 11/3(日)に行われた池袋での上映会は即完売!会場は大いに盛り上がった。ロケ地である愛媛をも巻き込み、数々のイベントを成功させている。人気の秘密は出演者の演技はもちろん、昔テレビで放送されたのではないかと疑うほどの映像の再現度。監督の西井紘輝さんに制作や愛媛ロケの裏側を聞いた。
どういった経緯でこの動画が生まれたのでしょうか?
友近さんとは去年フィルムエストで『知りすぎた女』という作品を作ったんです。そのご縁でまた一緒に何かやりたいねという話をずっとしていました。話している中で友近さんの故郷である愛媛を舞台に撮りたいという案が出てきました。 「あの頃の2時間ドラマをやりたい!」という友近さんの積年の願いがあったんです。昔は2時間ドラマ枠自体が多く、日常に溶け込んでいたんですよね。でも地方ロケは制作費がかかることもあり、今はその枠が消滅してしまいました。それを友近さん自身すごく寂しがっていたそうです。そこでお声がけいただいたのが去年のちょうど今頃(10月)です。
1時間以上の長い動画を作るのは初挑戦とお聞きしましたが、大変でしたか?
脚本が難しかったですね。長編ドラマの脚本なんて書いたことがなかったですし、そもそもドラマ制作が初めてだったので。脚本は少しずつ書いて、友近さんに見せてを繰り返し、方向性を合わせながら完成させました。 2時間ドラマを完成させるには時間と労力がかかるので、これは集中しなくてはと思い、僕は制作会社で普通に働いていたので、まず休職しようと決意しました。おかげで、いい作品ができただけでなく各地でのイベントなど様々な経験ができました。会社には感謝しかないですね。
どのようにして昭和の映像を再現しているのでしょうか?機材?それとも編集?
実は地道な編集作業で生み出しています。撮影機材は一般的にバラエティー番組で使うような最新のものです。それで撮った素材を何回も何回も書き出してあの雰囲気にしています。 出力して設定を変えて書き出すと画質が悪くなります。それをひたすら手動で繰り返し、物理的に画質を落としています。デジタルの力を駆使して実はめちゃくちゃアナログで面倒くさいことをやっています笑。 ―テロップもこだわりがあるのだとか。 今回のタイトルは僕が筆ペンで書いたもので、テロップの文字は人一倍こだわりました。エンドロールも、実は手間がかかっています。今の明朝体と当時の明朝体って、デザインが微妙に違うんです。当時の写植機を持っている方にお願いして、印字してもらった紙をスキャンし、字の間隔を調整して使っています。最近は昭和再現ものが多いですが、「フォント周り」が適当だとつい気になってしまうんですよね笑。 ―西井さんはリアルタイム世代ではないですよね。何か参考にされたのですか? もちろん昔の2時間ドラマはたくさん観て、そこで掴んだ基本的なフォーマットを踏襲する形にしました。その中に「ここで一旦整理しましょう」や「最後は崖」など、“2時間ドラマあるある”をいかに入れ込めるかというのが今回のミッションでした。 古いセリフの言い回しをたくさん脚本に書きました。劇中、友近さんが「ナイス!」と言う決めゼリフがあるのですが、あれは友近さんのアイディアで加えました。本当に二人三脚で進めたという感じですね。