『となりのMr.パーフェクト』好スタート! チョン・ヘイン&チョン・ソミンが幼なじみに
ツンデレ全開のチョン・ヘインが新鮮で魅力的
スンヒョとソンニュは、幼なじみとして憎まれ口を叩き合うが、根底では互いを大切に思い合っているのがわかる。婚約破棄し、無職になったソンニュに対し、スンヒョは勇気を出したなとなぐさめるのだ。ソンニュのことをよく知っているスンヒョは、彼女の決断に並々ならぬものがあったことを感じる。ソンニュもまた、スーパーエリートとしてグローバル企業で働き、ずっと走り続けてオーバーヒートしてしまったことをスンヒョにだけ明かす。ふたりにとってお互いが、心の中で大切な存在だというのがわかる第1話と第2話となった。 本作でチョン・ヘインがスンヒョとして、ツンデレの「ツン」をたくさん見せたのが新鮮だった。ソンニュが結婚すると思っていた時は、ツンもツンで、冷たく拗ねたような結婚祝いの言葉を送るが、彼女が婚約破棄して帰国したことを知ったスンヒョが見せた笑顔が、彼の本心をなによりもあらわしている(この場面のチョン・ヘインの笑顔がすこぶるいい!)。 スンヒョとソンニュの幼なじみのふたりが、これから恋心を育てていくところと、互いへの恋愛感情に気づくところが物語の盛り上がりとして楽しみだが、本作にはラブコメのラブだけにおさまらない、ヒューマンドラマの要素も強く感じられる。娘ソンニュを心配するミスクと、母ミスクへのソンニュの思い、気弱そうな父グンシクが、婚約破棄の理由は自分じゃないかと訝ったりするのも気になるところだ。さらに、建築家として、順風満帆に進んでいきそうだったスンヒョも、金銭トラブルが発生しそうな気配だ。スンヒョの母で外交官のヘスクと、医師である父ギョンジョン(イ・スンジュン)夫婦の冷えた関係も、ソンニュの帰還によって変化が起きたスンヒョとともに変わっていくのだろう。 ソンニュが再び実家に自分の部屋を持ち、スンヒョがその部屋を改装し、さらにスンヒョも実家へ戻ってきた。「ツン」のスンヒョが、ソンニュの元に戻ってきたのは、彼の心がソンニュにあるからだろう。 タイトルである『となりのMr.パーフェクト』は、原題では「お母さんの友達の息子」となっている。韓国では、お母さんがお母さんの友達の息子はパーフェクトだという話をすることからきているようだ。比較して「あそこの家の息子さんはあんなに素晴らしいのに、あんたときたら……」というもので、ミスクがスンヒョをとてもかわいがる姿がまさにそれだ。そのよくできたスンヒョが、ソンニュの帰国でどんなふうに心をかき乱されるのかが楽しみでならない。ここからスンヒョとソンニュの恋愛と、『海街チャチャチャ』で描かれたようなヒューマンドラマの世界が紡がれていくのだろう。また楽しみな作品がやってきた。
にこ