超進学校から目指すメジャーリーグ、桐朋・森井翔太郎「自分次第で上手くなれる」
偏差値は71。昨年度は東大に9名、京大に4名の合格者を出している都内有数の進学校・桐朋。そんな高校から、投げては最速153キロ、打っては30本を超えるホームラン。おまけに俊足も備える超逸材が現れ話題となっている。「メジャーリーグで超一流の選手になる」という目標を持つ、森井翔太郎選手に、これまでの野球ヒストリーなどを聞きました。 【自分次第で上手くなれる】 ――野球をはじめたきっかけは? 小学校の時に友達に誘われてはじめました。 ――当時憧れていたプロ野球選手などはいますか? 見るよりもやる方が好きだったので、プロ野球はほとんど見ていませんでした。でも夢はプロ野球選手になることでした。 ――小学校時代は武蔵府中リトルで全国優勝を経験していますが、小学校時代に日本一を経験したことはその後にどんな影響を与えたと思いますか? みんなと一緒に厳しい練習に耐えて、試合展開もキツかったんですけど、そこを勝ちきって優勝できたという経験が今に繋がっていると思います。良い経験だったと思います。 ――硬式の武蔵府中リトルから途中で軟式野球に移ったのは? 西武ライオンズジュニアに入りたかったからです。 ――中学のときも硬式の練馬北シニアから途中で桐朋中学の軟式野球部に移っていますね。 中1の時に素振りのしすぎで腰椎分離症になってしまったり、とにかく怪我が多くて。だったら体の負担の少ない軟式で勝負しようと思って軟式に移りました。 ――その後、高校も桐朋に進みますが、強豪校ではない高校に進むことでプロ野球選手になるという夢が遠回りになるという迷いや葛藤はありませんでしたか? 迷いはもちろんありました。強豪校に行った方がいいんじゃないかと思ったこともあったんですけど、(中高一貫校だから)中学から高校の野球部を見てきて、この環境ならやれると自分は思っていました。田中(隆文)先生からも大きいサポートをしていただいていますし、葛藤もありましたけど自分が選んだ進路に全く後悔はしていません。 ――「この環境」というのは具体的は? 自分で考えながら練習をやれますし、自分次第で上手くなれる環境があるということですね。 ――今年の春に、甲子園出場校も含む200校が参加した運動メーカー主催の体力測定で、メディシンボール投げと右肩関節の柔らかさが全国2位だったそうですね。筋トレや柔軟などを多くやっているからなのでしょうか? 肩関節は生まれつき柔らかくて抜けやすいんです。それでインナーとかはやっていたんですけど、それ以外は中学の時からヨガをやっているくらいで特に何もやっていないです。メディシンボール投げは背筋が必要なんですけど、(アメフトをやっていた父の)遺伝か何かわからないんですけど、もともと強いです。 ――ウエイトとかはやっていない? はい。自重を使ったトレーニングしかやっていないです。 【与えられた時間で100%質を高めて練習をやっていく】 ――文武両道校で野球をやることの意義、強みはどこにあると思いますか? 勉強をする時間が多いので、その分自分がどうやったら上手くなれるのかとか、そういった思考力が勉強で養えると思います。勉強ができるから直接的に野球も上手くなるということはないと思いますが、勉強で色んなことを考えることによって野球でも「なんで打てないのかな?」とか、そういう考える力がつくと思います。 ――今日も練習は17:30で終了ですが、強豪校は遅くまで練習をしますよね。自分たちが野球をやっていない時間にライバル達は野球をやっているということに焦りを感じることはないですか? 焦りはないです。自分は自分に与えられた時間で100%質を高めて練習をやっていくことを意識しているので。もちろん(練習の)数や量では劣ると思うんですけど、家でもヨガをやったり素振りをやったりトレーニングをやったり、できる練習はしているつもりなので、その質を高めることを意識してやっています。 ――いま野球をやる子どもが減っているのですが、森井君は野球の面白さはどんなところにあると思いますか? そうですね・・・・・・。(しばらく悩んで)答えになっているか分からないですけど、自分は野球を考える時間が好きというか、投げて、打って、走って、捕ってという野球のその動作が好きなので・・・・・・。 何て言うんですかね、子ども一人ひとりに性格があるので、自分が全ての子ども達に野球の面白さを伝えるのは難しいと思うんですけど、敢えて伝えるとしたら自分がミスをしても取り返せますし、仲間がミスをしたらカバーしたりだとか、チームスポーツなので仲間との友情が築けるというところですかね。 ――この先の目標は? メジャーリーグで超一流の選手になることです。 (取材/写真:永松欣也)
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