「特定技能」人権保護へ独自ルール 農業派遣の業界団体発足
外国人労働者を中長期的に受け入れる「特定技能」制度を巡り、同制度で受け入れた外国人を農業現場に派遣する事業者でつくる業界団体が発足した。国際的な人材争奪戦が激しくなる中、外国人の人権保護やキャリアアップに関する独自ルールを作り、外国人に選ばれる労働環境の整備に取り組む。 団体名は「特定技能派遣事業者コンソーシアム」。人材派遣会社9社でつくり、全国農業会議所がオブザーバーとして参加する。農水省によると、特定技能外国人を農業現場に派遣する事業者でつくる業界団体の設立は初。 31日、独自に策定した外国人の「人権保護方針」も公表した。国際基準に沿ったもので、差別やハラスメントの禁止、プライバシーの保護、労働・生活環境の整備などを掲げた。派遣先の農家にも順守を求める。
「国際競争力を高めたい」
今後は外国人のキャリアアップに向けた仕組み作りに取り組む。耕種や畜産など分野ごとに、就労期間に応じて身に付ける技能や処遇に基準を設ける。 日本の国際競争力が弱まる中、外国人労働者の確保が課題となっている。コンソーシアムの事務局を務めるYUIME(東京都港区)の上野耕平代表は「人材獲得の国際競争力を高めたい」と話す。 特定技能では、6月末時点で2万7800人が農業に従事。うち数%が派遣形態で、27社に所属している。 YUIME以外の構成員は次の通り。 ▽アルプスアグリキャリア ▽グロップ ▽ジョブズ・エル ▽ワークマネジメント ▽HRC ▽Mプランニング ▽スタッフ・パートナーズ ▽PERSOL Global Workforce
日本農業新聞