14日投票の衆議院選 どうやって投票したらいいの? 早稲田塾講師・坂東太郎のよくわかる時事用語
2日に公示された衆議院選は初めての週末を迎え、各候補が各地で支持を訴えています。ところで、今回の総選挙は14日が投票日です。いよいよ私たち有権者の「出番」なわけですが、衆議院選はどのような選挙制度が採用されていて、実際に投票所ではどのように投票すればいいのでしょうか。また、投票日以外に投票する方法はないのでしょうか。 【比較図表】参議院選の投票方法と選挙の流れ
衆院選は「小選挙区比例代表並立制」
日本の衆議院選は「小選挙区比例代表並立制」です。これはややこしい制度で大人(有権者)でも仕組みを十分に知っている人は少ない。ということは有権者はよく知らない制度で投票して立法(法律を作る)を担う国会議員を選んでいるとなり、よくよく考えてみれば大問題です。
(1)小選挙区制
こちらは比較的簡単。全国を295の選挙区に分けてトップの1人だけが当選する。「1人だけ」だから「小」なのです。ちなみに1996年にこの制度を取り入れる前に存在した中選挙区制は1選挙区に3人から4人(例外的に2人と5人)が当選できました。上位「3人から4人」が当選だから「1人だけ」の「小」より多いので「中」と呼びました。当然その分だけ選挙区は広かったのです。 利点は民意の集約度の高さ。椅子取りゲームで考えてみましょう。2人で1つの椅子を争う(小選挙区)のと6人で3つの椅子を争う(中選挙区)場合を比較すると当選確率はどちらも2分の1なので椅子が取れる可能性は同じです。しかし感覚として勝てる雰囲気は小選挙区だと上位2政党に絞り込まれてきます。中選挙区ならば二大政党どちらも嫌だという有権者が「3位に滑り込ませよう」と他の選択で当選させられるからです。これが欠点でもあり、当選者以外のすべてが死に票になってしまいます。
(2)比例代表並立制
これが面倒くさい。定数180人を地域別の11のブロックに分けます。北から順に、北海道、東北、北関東、南関東、東京都、北陸信越、東海、近畿、中国、四国、九州。例えば南関東ブロックは千葉県と神奈川県と山梨県で、この3県を合わせて1つの選挙区になります。政党が名簿を提出し、上位者から当選していきます。 ここでいう政党とは、 ・所属する国会議員が5人以上 ・一番近い国政選挙(衆議院もしくは参議院選挙)で全国を通して2%以上の票(選挙区・比例区いずれか)を得た の一方を満たしていなければなりません。そうでない政治団体は「○○党」と名乗っていても参加できません。