14日投票の衆議院選 どうやって投票したらいいの? 早稲田塾講師・坂東太郎のよくわかる時事用語
◎ドント方式 当落は「ドント方式」で決まっていきます。 ドント方式とは、図を見ると分かるように、各政党の総得票数をそれぞれ1、2、3、4……という整数で割っていき、得られた商(割った答え)の大きい順に議席を配分していきます。得票数の多い政党にも少ない政党にも、比較的公平に議席が割り当てられるとされています。 ◎重複立候補と惜敗率 日本の制度では小選挙区との重複立候補が認められています。つまりある選挙区で立候補したのと同一人物が比例の名簿にも名を連ねられる仕組みです。その人に限って同一の順位に並べられます。最近は比較的大きな政党は票を掘り起こすべく重複立候補者をズラッと1位に並べる光景がよく見られるのです。その場合、同じ1位のなかから当選するのは小選挙区の落選者で惜敗率つまり「惜しい落選」順に当選していきます。小選挙区の当選者は名簿に載っていても「なかったこと」となるのです。 この結果「復活当選」が出来てしまいます。つまり小選挙区制という「椅子取りゲーム」で負けたのに「椅子に座れる」制度なのです。この椅子は当初、座り心地が悪かったらしく現制度が導入された96年総選挙の「復活当選」組は口々に違和感を訴えました。当時の新聞から探ると「落ちたり上がったりと、まるでエレベーターみたいな選挙」「墓場の中からよみがえった」「とてもバンザイしようという気持ちになれない」など。直後に朝日新聞が行った世論調査では「重複立候補はよかったか」という質問に70%の人が「よくなかった」と答えています。しかし総選挙を重ねるごとに今では何やら当たり前のようになってしまいました。 半面、利点として小選挙区では当選が難しい中小政党もある程度議席を得る可能性が高まる「民意の反映」があります。
投票所では「2票」渡される
1人の有権者が自分の住む小選挙区で立候補している候補者の名前を、比例代表区では自分の住むブロックで名簿を掲載している政党の名前を書く「2票制」です。つまり投票所で2票を行使できるのです。小選挙区で書いた候補者の所属する政党と比例代表区で選ぶ政党名が違っていても構いません。 投票所の場所は、市区町村の選挙管理委員会から選挙人名簿に基づいて入場券が送られてくる際に記載されています。投票当日の投票時間は原則として午前7時から午後8時まで。入場券と名簿が一致するか確認する係をパスすれば投票用紙の受付係から用紙がもらえます。後は記載所へ行って小選挙区の候補者名と比例代表区の政党名を自書し投票箱に入れるだけです。