紅白歌合戦のOPテーマも務めた、日本のインストバンド。シーンの現状や注目すべき存在を解説
インストシーンは「すごいプレイヤーが、どんどん増えている」
金子さんは最後に、MURABANKU。を紹介した。 金子:ここまでわりとキャリアがあったり、知られてる人たちも紹介してきましたけど、MURABANKU。は結成は2018年とかなんでそれなりにキャリアはあるんですけど、まだそんなには知られてないバンドかなと思ってて。最強のローカルパーティー音楽集団と名乗ったりしてるんですけど、パッと聴いてエキゾ(エキゾチカ。音楽のジャンルの一つ)が浮かんで、SAKEROCKが2020年代に蘇ったらこうなるんじゃないかっていうバンドなんですよね。 あっこゴリラ:エキゾ的なインストバンドは本当に楽しい。 金子:現場が想像できますよね。さらに彼らはオンラインエキゾっていう言葉も使ってて、ゲームミュージック的な要素を入れていたり、ミュージックビデオもそういうゲームっぽい感じだったり、あと攻略本という名前のZINEを発行していたりとか、活動自体もユーモアがあってなかなか他にない存在感を持っているので、活動全般に注目してもらいたいバンドですね。 注目アーティストを紹介した金子さんに「今の若い世代はインストバンドをどう捉えてる?」とあっこゴリラが質問した。 金子:やっぱりTikTokとかで音楽を発見する人が増えてると思うんですけど、そのBGM的に使うっていう意味でもインストってそこから入ってくる可能性ってすごくある気がします。今はどうしても言葉のインパクトとかの方が強いかもしれないけど、自由に解釈していろんな想像力を広げられるのがインストの面白いところだから、より広がってほしいなと思います。 あっこゴリラ:今後インストバンドはどう進化していくと思います? 金子:すごいプレイヤーが、どんどん増えているんですよね。DTMで音楽を作ることが一般的になったことで、そういうツールを使いこなして楽器演奏の上達の方に向けてる人もたくさんいて、本当にすごいプレイヤーがたくさんいるし、AIが作曲することになるかもしれないけど、楽器のニュアンスまで再現するのはもう少し時間がかかると思うから、楽器の生演奏から新たな音楽が生まれる余地はまだまだあると思うので、どんどん進化していくのではないでしょうか。 今回、解説してくれた金子厚武さんの最新情報は公式Xまで。J-WAVE『SONAR MUSIC』は、月~木の22:00-24:00にオンエア。