アギーレジャパンが初陣に見せた4-3-3の新チームスタイルの是非
坂井の致命的なミスもあり、ゲームは0-2で敗れた。とはいえ、中盤では細貝や森重が肉弾戦を繰り広げ、前線では皆川が体を張ってボールをキープした。右ウイングとして先発した本田も、右サイドバックの酒井宏樹の後方まで戻って守備をする場面が何度もあり、ピッチの至るところで日本の選手たちがスライディングでパスを遮断しようとする姿が目についた。新監督のカラーは確かに見えていた。 このままチーム作りが順調に進めば、闘えて、1-0で勝ち切れる力強いチームになっていくことが想像できた。だが一方で、クリエイティビティが感じられなかったこの日の攻撃を見ていたら、こうも思わずにはいられなかった。本来目指していたはずの「日本代表の日本化」、日本代表の理想のスタイルとは、決定的に異なるのではないかと。 9日のベネズエラ戦は、どのようなメンバーを送り出し、何を修正してくるか――。そこにもアギーレ監督の志向がうかがえるはずだ。 (文責・飯尾篤史/サッカーライター)