「調子見極め」「ヒーロー代わる」 関係者語る準V明豊の総合力
2011年の第83回大会で準優勝した九州国際大付(福岡)以来、九州勢として10年ぶりのセンバツ準優勝を果たした明豊。センバツでは21世紀枠の東播磨(兵庫)に10―9でサヨナラ勝ちした後、次々に接戦を制し強豪を連破した。 【明豊vs東海大相模】大熱戦の決勝を写真で 昨年秋、川崎絢平監督(39)が「俺が監督になって史上最弱だ」と突き放したチームはこの春、いかにして飛躍を遂げたのか。昨秋の九州地区大会準決勝で明豊に競り勝ち、センバツにも出場した大崎(長崎)の清水央彦(あきひこ)監督(50)は「当時から質の高いチームだった。チームスタイルはこの春も変わらないが『打つ、投げる、捕る』の全てにおいてレベルアップしていた」とたたえた。 今大会は川崎監督の采配が的中した場面も多かった。市和歌山との2回戦、同点で迎えた七回にプロ注目の小園健太投手(3年)から決勝打を放ったのは代打に送った竹下聖人選手(2年)だった。智弁学園(奈良)との準々決勝では、2番から1番に上げた幸修也主将(3年)が先頭打者本塁打。大会を通じて3投手の継投も決まり、強豪相手でも大量失点で試合を壊すことがなかった。 九州地区高校野球連盟の野口敦弘理事長(59)は「川崎監督は選手をよく観察して全員の調子を見極めている。それがチームの総合力になっている」と話す。全員で戦うチームスタイルだからこそ競争も生まれる。「明豊は選手一人一人の目標が高く、よくバットを振る。それが九州王者の風格につながって近年はすごくいい野球をしていた」 大分県高野連の佐藤直樹理事長(54)も賛辞を贈った。「昨秋から一冬越えて打撃が強化されていた。試合ごとにヒーローが代わって、諦めない姿勢が伝わってきた」【中山敦貴、井上和也、河慧琳】