『アド街』が30年目に突入。「徹底的に話を聞きまくる」姿勢が“愛され続ける秘訣”か
アド街が愛され続ける秘訣とは?
街の情報はインターネットやInstagramやTikTokなどのSNSでも検索することはできる。しかし、街の全体像を把握するには、あまりにピンポイントすぎる。その街の“イマ”の全体像を知るには、アド街という番組が最適だ。 「アド街は『ここなら明日行ってみようかな』と思ってくれる視聴者さんが多いような気がします。そして、私たちも極力その街に行った気持ちになれるように作っています。基本的にはお客さん目線で撮っています。もちろんそれだけでは成立しないので、メリハリを出す撮り方と編集にしています。足が悪くてあまり出歩けないおばあちゃんに『アド街を見ると、行った気になれるから、楽しくて見ている』と言われたことが嬉しかったです」 最後に、長年続けていく秘訣を教えてもらった。 「私たちがこの30年、変わらず取り組んできたのは、“街の人ファースト”ということ。とはいえ、こちらが至らず街の人にご迷惑をかけたことも、叱られるような事もありました。至らぬ事もありますが『街の人が喜んでくれるものを作ろう』ということに一番の重きを置いてきました。その積み重ねなんだと思います」 ずっと変わらない良さも、すっかり変わってしまった寂しさもあるのが“街”だ。街の変化は必ずしもネガティブなことばかりではないし、変わっていないと思っても実は少しずつ変わっていることもある。そんなイマの日本のある街を、毎週知れるのがアド街だ。その土地を徹底的に歩き、話を聞いたからこそ作れる愛情たっぷりの番組。これからもいろいろなエリアを紹介し続けてほしい。 <取材・文/高田晶子> 【高田晶子】 1982年、札幌市生まれ。中央大学卒業後から10年間、光文社『女性自身』記者として芸能人や美容・健康分野の取材を担当。2016年独立後、雑誌の取材に加え、写真集や書籍の構成・編集なども担当
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