祖母が「1000万円」のタンス預金から、毎年「100万円」渡してくれるようです。現金でも「税金」がかかるって本当ですか? どうすれば非課税にできるのでしょうか?
税金対策としてタンス預金でお金を貯め、少しずつ財産を渡している人もいるでしょう。 贈与税には基礎控除があるので、年間に一定額であれば税金はかかりません。しかし、少しずつ財産を渡した場合でも税金がかかってしまうことがあります。また、2024年からは税制の法改正があったのでさらに税金の対象となる可能性も出てきました。 そこで本記事では、少しずつ財産を渡した場合でも税金がかかることについて解説していきます。2024年の法改正についても紹介するので、財産を渡そうと考えている人は税金についても考えてみてください。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
贈与税は基礎控除未満であれば税金がかからない
個人から財産を受け取った際に発生するのが贈与税です。贈与税は税率が高く、課税価額が200万円以下の場合でも10%の税金を支払わなければいけません。ただ、贈与税には基礎控除があるので、基礎控除未満であれば税金を支払う必要がなくなります。 「基礎控除」は、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額110万円です。そのため、年間に110万円未満の贈与であれば贈与税を支払わなくても問題ありません。年間に100万円を受け取った場合は基礎控除未満なので贈与税を支払う必要は基本的にないといえるでしょう。
基礎控除の110万円未満を渡しても税金がかかる可能性がある
毎年100万円を受け取ることは基礎控除以内の贈与となり、その度に贈与契約書を作成するといった手続きをすることで各年の贈与になります。そのため、贈与税の対象となりません。 もっとも、年間110万円未満の贈与でも事例のように10年間財産を渡すことを約束された場合は「定期金給付契約」として贈与税がかかる可能性があります。定期金給付契約は、事例のように「100万円を10年間にわたって渡す」という権利を贈与されたとみなされ、贈与税の対象となるからです。
2024年からは相続税の対象となることも
2024年1月1日から相続税と贈与税について税制改正が施行されています。 今回の改正で、受贈者(財産を贈与した人)が亡くなった場合に、相続開始前の7年の間に贈与があるとその財産も相続税の対象となります。これまでは3年間という期間だったので、相続開始前の3年の間に贈与がなければ相続税の対象となりませんでした。このことから贈与によって財産を分散させたとしても過去7年間の贈与した財産については税金がかかるので注意が必要です。 定期金給付契約とならなかった場合でも、相続税の対象となってしまう可能性があり、生前の贈与によって財産を分散することが難しくなりました。相続税は贈与税と比べると税率は低いですが、これまで通りの贈与では税金がかかってしまう恐れがあることを覚えておきましょう。