【体験談】「マスコミに行きたい」 大学を再受験した仮面浪人のメリットとデメリット
息子が法政大学経済学部国際経済学科に合格した菅田晴美さん(仮名)。中学受験で入った中高一貫校ではラグビーに熱中し、大学へも現役で合格しました。しかし、入学した大学の雰囲気が合わずに再受験を決意。予備校には通わずに自分で受験勉強しました。仮面浪人を経て合格をつかむまでの道のりを振り返ります。 【写真】「学歴ロンダリング」と言われても…「9浪はまい」さんが東大大学院にこだわった理由
息子が通っていた学校は、茨城県内の私立中高一貫校。高校2年までに各教科の学習内容をひと通り終え、高3から大学受験に向けた対策を行うカリキュラムでした。ラグビー部に入っていましたが、「自分は不器用だから部活と勉強の両立は難しい」と高2で少し早めに部活を引退し、高3から本格的に受験勉強をスタートしました。高校では一人ひとりの自主性を重んじた学習を重視していたので、塾には通わずに自学自習で受験対策をしていました。 息子は中学時代からマスコミへの憧れがあり、特にテレビ局への就職を希望していました。第1志望は早稲田大学で、ほかにも何校か私大を受けましたが、志望校には受からず、押さえ校だった大学に進学。初めての一人暮らしを始めました。
大学の雰囲気が合わず、思い悩むように
一人暮らしは順調で、思いのほか家事も得意だった様子。部屋はきれいに片づけていましたし、自炊もしていて「今日は野菜カレーを作ったよ」と私にメールをしてきたこともあります。そんな息子でしたから、大学生活もうまくいっているだろうと思っていたのですが、実は大学の雰囲気が合わずに思い悩んでいたようです。 というのも、息子の通っていた大学は全国各地に系列校があるため、付属高校からの内部進学者が相当数いました。大学では内部進学者のコミュニティがすでにあり、息子はなじめずに疎外感を感じることが多かったようです。さらに、この大学からメディア系に就職できるのかを調べてみると、実績があまり良くなかったり、友人からも難しそうと噂を聞いたりしたということでした。 一人でいろいろと考えたのでしょう。ある日、「大学を再受験したい」と息子から言われたのです。私は大変驚きましたし、戸惑いました。 親としてはすでに入学金や授業料を支払った後ですし、息子はすでに大学に通っています。しかし、夫とも相談した結果、「本人が希望するなら任せよう」ということになりました。再受験を前提とした、いわゆる仮面浪人の大学生活にシフトしたのです。