シャオミ日本社長、日本の店舗網構築でスマホとIoTを一体販売へ EV投入にも意欲
中国スマートフォン大手、小米科技(シャオミ)の日本法人の大沼彰社長がインタビューに応じ、日本で独自のリアル店舗網を展開する方針を表明した。中国で展開している「小米之家(Xiaomi Store)」を参考に、スマホやIoT家電、さらにはEVを含む製品を一体的に販売するショールーム型の店舗を目指すと明らかにした。 シャオミのハイエンドスマホ「Xiaomi 14 Ultra」など、もっと写真を見る また、中国国内で販売が好調な子会社・小米汽車の電気自動車(EV)の日本市場への投入に「期待したい」と意欲を示した。 同社は中国では数千店舗の小米之家を運営し、スマホを軸に多様な機器を通信でつなぐIoT家電などでの互換性を武器に販売する手法を採用している。多様な商品カテゴリーでコストパフォーマンスの高さを売りにした商品を投入するシャオミは、「米粉(Xiaomi Fan)」と呼ばれるファン層を築いている。 シャオミの盧偉氷総裁はすでに、今後5年間で海外に1万店の小米之家を開店すると表明している。シャオミが得意とする「人・車・家をつなぐエコシステム」を展開し、ネットとリアル店舗を組み合わせる小売モデルを海外市場にも持ち込む方針だという。 この動きは、日本市場での店舗開設計画とも符号しており、大沼社長は日本へのEV投入は「今すぐは難しい」としているものの、将来的に日の店舗に人気のEVが加われば、大きな話題となることは間違いないと述べた。
安価モデルがシェア押し上げ
日本では主力のスマホ市場では、大手通信会社の携帯「キャリア」の販売網がシェアの約9割を占める。シャオミもインターネット通販などで独自に販売してきたが、日本ではキャリアの手を借りずに販売を大きく伸ばすのは難しいのも現実だ。 米調査会社IDCのデータによると、シャオミは24年4~6月期の日本でのスマホ出荷台数が前年同期比約5.6倍の約49万台と大幅に伸び、シェアは1%から7%に急上昇し、米アップル、シャープ、米グーグルに続く4位に躍り出た。 数万円程度の安価なスマホがキャリアの販売網で受け入れられたのが要因だという。大沼氏は「価格が想定以上に響いたのは事実だ」と述べた。キャリア側にとっても1契約当たりの販売額を表すアープ(ARPU)という指標が、大画面や高速充電の機能により向上する傾向があり「歓迎されている」と話した。 ただ「シャオミのブランドが理由で買っていただいているかという意味では、まだ途中の段階だ」と指摘する。キャリアの店舗で店員に安価な価格などで推奨されて購入されたケースが多いのではないかと分析し、「24年7~9月期は6位以下になり、キャリアの採用状況に影響されやすい」と語った。