シャオミ日本社長、日本の店舗網構築でスマホとIoTを一体販売へ EV投入にも意欲
リアル店舗の準備着々
日本では実際に東京都渋谷区の商業施設「渋谷パルコ」に24年5月下旬から11月上旬まで約5カ月間、スマホやテレビ、ロボット掃除機を展示販売するポップアップストアを開設した。大沼社長は「機能を確認して購入していただける。高価な商品が売れる手応えを得た」と語った。 小米之家の店舗に関して「中国ではEVも取り扱って完成形だが、IoT機器と一緒に販売している香港のような形をまずは目指したい」と述べた。香港を含む中国では地方都市も含めて約12000店舗、海外での直営店も100店舗以上を展開しており、スマホ以外に多様な商品を持つ強みを生かそうとしている。 立地に関しては、中国では大都市の中心部の商業施設で商品の訴求を重視する店舗や、郊外の住宅街などの大型店舗で多くの家電などの品目数を扱う店舗などさまざまな形態があると指摘し、こうした店舗展開も参考にしていくという。
ライカとAI
中国のスマホメーカーがカメラの性能に力を入れる中で、シャオミはドイツの老舗カメラメーカー「ライカ」との共同開発を進めている。日本市場でも5月にカメラを重視したハイエンドスマホ「Xiaomi 14 Ultra」を発売した。「販売は好調で成果が出ている。どんなシーンで使えるかをさらに訴求していく」と述べた。 また、スマホに搭載されたAI機能について、翻訳や写真の不要な被写体を自動で削除する「AI消しゴム」などがすでに実用化されつつあるものの「これから本格化する」という。さらに「未来はいろいろなことが起きると思うが、データの戦いになる。シャオミの8億台のIoT機器が通信でつながっており、AIで家電とスマホ、自動車がトータルで便利になる」と強調し、将来的には家電や車から集まったデータがスマホの商品開発の強みにつながっていく可能性を示唆した。
“ありかも”、中国EV!
大沼氏は日本でのEV販売について「(日本法人は)販売会社なので、顧客が望む商品は届けたい」と述べ前向きな姿勢を示す一方で、「期待はしているが、日本市場は厳しい環境であり、考えなければならないことが多い」とも指摘。「日本では国内自動車メーカーが圧倒的な存在感を誇っており、EVの普及鈍化などを理由に慎重な見解を示した。 ただ、同じ中国メーカーの比亜迪(BYD)は2023年に日本市場に進出し、わずか2年目で2024年1~11月で約1994台の乗用車を販売した。女優の長澤まさみを起用し「ありかも、BYD!」をキャッチコピーにしたCMでも存在感を増しており「(中国メーカーが)日本に来て販売できることはそういう意味では証明された」と指摘した。 シャオミのEVについては「スマホやIoT機器と同じで、コストパフォーマンスの良い商品を届けるという意味で考え方は変わらない」と述べ、将来的な日本への販売に期待感を示した。 (36Kr Japan編集部)