人口減少時代に突入した日本 人口ピラミッドはどんな形に変わっていく?
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総務省が10月に発表した平成27年国勢調査の確定値で日本の総人口は1億2709万4745万人と前回調査(22年)に比べて96万3000人減少したことがわかりました。これは大正9(1920)年の調査開始以来、初の人口減です。 今後日本では人口が減少し続け、少子高齢化がいっそう加速すると推計されていますが、具体的にはどのような数値が予想されているのでしょうか。過去の国勢調査の人口データと国立社会保障・人口問題研究所がまとめた「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」を基にみていきます。
「富士山型」から1980年ごろには「ひょうたん型」に
今から96年前の第1回国勢調査時、日本の総人口は5596万3053人でした。当時の平均寿命は男性42.06歳、女性が43.20歳。15歳未満人口(年少人口)は総人口の36.5%に及び、15~64歳人口(生産年齢人口)は総人口の58.3%、65歳以上人口(老年人口)は総人口の5.3%でした(総務省「統計でみるあの時といま」平成26年より)。年代別に人口を積み上げると、底辺が最も多く、先へ行くほどとがった形になる、まさにピラミッドの形で人口構成されていました。 年間250万人以上の出生数があった第1次ベビーブーム(1947~1949年)後の昭和30(1955)年になると、人口は9007万7千人まで増えます。年少人口の総人口に占める割合をみると、当時英国は22.9%など、既に多くの欧米先進国は3割を切っていましたが、日本はまだ33.4%ありました。同様に65歳以上の老年人口が占める割合は5.3%で、第1回調査時と同水準でした。このころの人口ピラミッドの形はまだ「富士山型」に近いです。 しかし、1960年代に入ると人口ピラミッドの構成に変化が現れます。総人口が9920万9千人となり、1億突破が近づいた1965年(9920万9千人)には、年少人口は総人口比25.7%まで下がります。 そして、年間出生数が200万人を超えていた第2次ベビーブーム(1971~1974年)後の昭和55(1980)年には、人口は1億1706万人に。年少人口の総人口比は23.5%と下がる一方で、老年人口は9.1%と上昇し始めました。人口ピラミッドの形も、このころになると、かつては最も広がっていた底辺の若い世代にすぼみがみられ、2度のベビーブームの世代が突出した「ひょうたん型」に変化し始めます。