人口減少時代に突入した日本 人口ピラミッドはどんな形に変わっていく?
急激に少子高齢化が進行した現在の人口ピラミッドの形は……
では、最新の平成27年国勢調査はどのような結果だったのでしょう。15歳未満の年少人口は1588万7千人(総人口12.6%)、15~64歳の生産年齢人口は7628 万9千人(同60.7%)、65歳以上の老年人口は3346万5千人(同26.6%)。これは国勢調査開始以来、年少人口の割合は最低、老年人口の割合は最高です。また、世界で最も年少人口割合が少なく、老年人口割合が最も多いという結果になりました。急激に進行した少子高齢化により、人口ピラミッドの形は「つぼ型」や「逆ひょうたん型」と呼ばれる形に変わりました。
2060年には「逆ピラミッド型」に
では、気になる今後の人口予想はどのようになっているのでしょう。明治期以降、年平均1%の成長率で増えてきた日本の総人口は、現在人口減少に転じる歴史的な転換点に入りました。「日本の将来推計人口」(平成24年1月推計)出生中位・死亡中位推計によると、32年後の2048年には1億人を割り、2060年に8674万人に。これは2010年と比べ、約4100万人、32.3%の減少です。この50年間で日本は約3分の1の人口を失うとみています。 人口構造はどのように変わるのでしょう。2010年と50年経過した2060年推計値の人口ピラミッドを比べてみました(図1)。2010年は中高年層が厚くなっていますが、その後の低出生率の推移を反映し、裾の狭まった形状への変化が進行。50年後は、第2次ベビーブーム世代が80歳代後半となり、非常に重心が高い、安定を欠いた「逆ピラミッド」へと変わっていきます。 これは、2010年と比べて年少人口約900万人減、生産年齢人口約3800万人減で、これらの両世代で2010年比47%の減少になるのに対し、老年人口は2010年比18%多い約500万人増となるためです。ちなみに、この2060年総人口の推計値と近い水準の1955年と比べてみると、人口を2分する中位数年齢は1955年時23.7歳(平均年齢27.6歳)でしたが、2060年は57.3歳(同54.6歳)と考えられています。つまり、単にかつての人口規模に減少するのではなく、まったく異なる年齢構成の国へ転換するということが予測されているわけです。 この後も、人口は減り続け、参考値として100年後の2110年には4286万人と推計。第1回国勢調査時を下回り、現在の人口の3分の1までになるとみています(グラフ1)。
国立社会保障・人口問題研究所が作成した1920年~2060年までの人口ピラミッドデータを年代順に並べてみました(動画)。「富士山型」から「ひょうたん型」、「つぼ型」、「逆ピラミッド型」へ。日本の人口構造は大きく変化し続けています。