「グルメフェス」の“衛生対策”はどうなっている? 「食中毒騒動」乗り越え11周年を迎えたイベントの“教訓”とは
万が一、食中毒の被害に遭ったら…
飲食店の営業を行うには、食品衛生法に基づく営業許可を受ける必要がある(食品衛生法55条1項、54条、同法施行令第35条1号)。また、食品衛生責任者を置くことが義務付けられている(食品衛生法51条1項1号、同法施行規則66条の2-1項)。 前述の肉フェスでも、「各店舗に食品衛生責任者を配置しており、この責任者を中心に肉フェス独自のマニュアルにのっとって衛生管理をしています。さらに、調理工程の全てを保健所に提出し、問題がないかを確認の上、その工程通りに調理しています」(PR担当者)という。 一方で、利用者が万が一、飲食店の過失や故意により食中毒の被害を受けてしまった場合には、PL法(製造物責任法)に基づき、飲食店に対し慰謝料や治療費、通院交通費といった損害賠償を請求できる。 なお、PL法は民法の不法行為責任(民法709条)の特則である。本来、不法行為責任を追及する場合には、加害者側の故意や過失を立証しなければならないが、PL法による請求の場合は、その立証が不要である。 とはいえ、何事もないことが一番であることは言うまでもない。今年の夏もフードフェスやビアガーデンにお祭りといったイベントが全国各地で予定されているが、安心して楽しめるよう、それぞれの場所で対策・管理が徹底されることを願うばかりだ。
弁護士JP編集部