巨人・大勢「諦めてはいないです」、R・マルティネス守護神構想に「自負はあります。そう簡単に…」
巨人・大勢投手(25)が19日、G球場で自主トレを行い、ストッパーに対する思いを明かした。チームは16日に前中日のライデル・マルティネス投手(28)との契約合意を発表。4年総額50億円超の大型契約で加入する今季のセーブ王との共闘を「楽しみ」とする一方、入団から今季まで3年間務めてきたクローザーの座について「諦めてはいないです」と言葉に力を込めた。 大勢の言葉の端々に、巨人のクローザーを務めてきた強い矜持(きょうじ)がにじんだ。G球場の室内練習場。ランニングやキャッチボールを終えると、マルティネス加入を踏まえた上で、「9回」への思いを口にした。 「(今季は)けがもありましたけど、投げているのは9回だったので、そういう自負はあります。そう簡単に渡すというより、まだシーズンも始まっていないですし。まだ誰が、どこが、どうなるかも分からない。諦めてはいないです」 1年目の22年から守護神を任され、3年間で80セーブを積み重ねてきた。今季は43登板で1勝2敗29セーブ、防御率0・88。右肩違和感による約2か月の離脱もあったが、セーブ失敗はゼロと抜群の安定感で4年ぶりリーグ優勝に貢献した。助っ人の加入により阿部監督は「8回・大勢、9回・マルティネス」の構想を明かしているが、決定事項とは捉えずに来季へ向けてトレーニングを進めていく。 NPBを代表する2人のクローザーが同チームでプレーすることで、「Wストッパー」の形を取ることも可能だ。今季の救援防御率2・27は12球団トップタイで、さらに来季は厚みが増す。2人に加え、ケラーやバルドナード、高梨、船迫らもおり、複数の勝ちパターンを組むことも可能になる。143試合を戦う中、大勢とマルティネスという絶対的な存在が2人いることは他球団にとって脅威だろう。 ライバルであると同時に、新助っ人にはリスペクトを抱いている。「敵ながら素晴らしい投手と見ていた。一緒にプレーできるのは自分にとってもプラスになると思うし、レベルの高い投手と一緒に野球ができるのは楽しみです」。2人が高め合えば、相乗効果も計り知れない。 今年は11月のプレミア12で侍ジャパンの守護神を担うなど、長いシーズンを過ごした。トレーニングに力を注ぎつつ、最近は地元・兵庫県内で登山をしたそうで「気分転換しながら鍛えるのも込みで。すごい雪だったけど、マイナスイオンを感じながら、リフレッシュしながらできた。練習はどうしても長く、毎日あるのでうまく試行錯誤しながらやりたい」と語った。超ハイレベルな守護神争いに向け、抜かりなく準備を施していく。(田中 哲)
報知新聞社