【コラム】サウジC、ドバイWCともに1番人気はフォーエバーヤング リース契約馬が強敵に?
新年の海外競馬は中東の国々から始まります。ビッグイベントは2月22日(土)のサウジC(G1、ダート1800メートル、キングアブドゥルアジーズ)で幕を開け、今年で29回目を迎えるドバイWC(G1、ダート2000メートル、メイダン)はラマダン時期を避けるため例年より1週遅い4月5日(土)に開催されることになっています。 サウジC、ドバイWCともに現時点での1番人気は日本のフォーエバーヤング。暮れのG1東京大賞典での勝ちっぷりも後押ししてBCクラシック勝ち馬のシエラレオーネや、今月下旬に発表される米年度代表馬の最有力候補で、ドバイ遠征がうわさされる強豪牝馬ソーピードアンナなどの米国勢を従えています。 昨年、期間を限定した特別なリース契約でサウジに迎えたセニュールバスカドール(牡7、父マインシャフト)でサウジC優勝、ドバイWC3着の大成果を挙げた現地のシャラフ・モハメド・ハリーリ氏は今年も同様の手法で“二匹目のどじょう”を狙っています。 ハリーリ氏がセニョールバスカドールとともに中東での3戦限定リース契約を結ぼうとしているのは、昨年のG1チャンピオンズCにも予備登録したラトルンロール(牡6、父コネクト)です。 2歳時のG1BCフューチュリティ優勝など米国で6つの重賞勝ちを誇るラトルンロールは昨年のケンタッキーダービー馬ミスティックダンを送ったK・マクピーク厩舎の古馬エース。一昨年秋に脚部不安に襲われて、ほぼ1年を棒に振りましたが、昨年9月のG2ルーカスクラシックS(3着)で復帰を果たすと、11月2日のBCクラシックに矛先を向けました。残念ながら補欠のままで出走はかないませんでしたが、目標を同月29日のG2クラークSに切り替えると、これを鮮やかに差しきって優勝、健在ぶりをアピールしました。 2頭はサウジでの前哨戦となる今月25日の二聖モスクの守護者C出走をステップにサウジCに向かい、続くドバイWCの計3戦をハリーリ氏の勝負服で転戦する予定になっています。 【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)