<センバツ>左打者並ぶ啓新打線 クロスステップの左腕・伊礼を攻略
○啓新5-3桐蔭学園●(27日・甲子園) 昨秋のチーム打率2割8分7厘は今大会出場校中、下から3番目。それでも、啓新は鋭いスイングで創部7年目にして甲子園初勝利をつかみ取った。植松監督は「苦しい展開を予想したが、終始うちのペースで進められた」とほほ笑んだ。 【啓新vs桐蔭学園、熱戦の模様を写真特集で】 桐蔭学園の先発・伊礼は左スリークオーター。一塁側にクロスステップで踏み出すフォームは、左打者5人が並ぶ啓新打線には攻略しづらいかに見えたが、選手たちは全く苦にしない。一回1死二塁で左打者の3番・穴水が真ん中に入ったスライダーを引っ張り、先制の右越え適時三塁打。続く竹原も130キロの直球を捉えて左中間二塁打を放ち、幸先よく2点を先取した。 1点差で迎えた六回1死後、山沢が中前打と敵失で二塁に進むと、登録は両打ちながら左打席に入った7番・古川が外角直球に体を開かされることなく、左中間にはじき返して適時二塁打。貴重な追加点を奪った。守っては八回から、昨秋の公式戦9試合で23回余りを自責点ゼロで抑えた右下手投げの浦松が打者6人で片付けて歓喜の瞬間を迎えた。 「(左打者が)引っ張りにかかるのではなく、遊撃手の頭を狙って打つということを、しっかり実行してくれた」と植松監督。「チーム全員でつかみ取った1勝」と、1962年に女子校として開校した学校の歴史に新たな一ページを刻む勝利を喜んだ。【平本泰章】