《衆院選2024》投票繰り上げ42市町村 茨城県内 「期日前が浸透」
27日投開票の衆院選で、茨城県内全44市町村のうち、2市を除く42市町村で当日投票締め切り時間が法定の午後8時より1~2時間繰り上げられる。各市町村の選挙管理委員会の多くは夜間の投票率低下などを理由に挙げ、「期日前投票の浸透で有権者の投票機会は確保されている」と説明している。 県選管のまとめによると、2時間繰り上げて午後6時までとするのは日立、土浦、古河、鹿嶋など37市町村で、全体の84.0%(前回79.5%)を占める。水戸、龍ケ崎、つくば、稲敷、境の5市町は1時間早め同7時までとした。 繰り上げる県内投票所は全1356カ所のうち1311カ所。県全体に占める割合は96.7%に上り、全国平均の39.0%を大きく上回る。2021年の前回衆院選は94.6%、19年の前々回は79.7%で、実施のたびに拡大している。 前回衆院選で、公選法で定められた「原則午後8時まで」実施した稲敷、河内の2市町は今回、それぞれ同7時、同6時までとした。2市町の選管担当者は「終了間際の時間帯の投票が少なかった」と繰り上げの理由を話した。 ひたちなか市も同6時までで、前回から1時間繰り上げた。市選管は、今回は商業施設に開設した期日前投票所の利用も多いとして「有権者が投票できる環境は整えている」と語った。 市長選、市議選を加えた「トリプル選」のつくば市。開票作業の経験者をそろえ、人員も十数人増やして職員300人体制で臨む。当日の投票時間も午後7時までとしており、市選管事務局は「1時間繰り上げの余力を生かしてスムーズな開票につなげたい」と意気込む。 一方、繰り上げなしで実施するのは牛久と守谷の2市。牛久市選管は「公職選挙法に基づく繰り上げ理由が特段ないため」と説明した。 常磐大の吉田勉教授(行政法学)は「締め切り時間の繰り上げは各選管が検討し、投票機会の制限につながらないと判断した結果で尊重すべき」と指摘。過去に特段の問題も発生していないとして「妥当な判断」と述べた。
茨城新聞社