「育て方が悪かったの?」子が不登校で自分責めたことも…悩み尽きず 立ち上げた親の会のルールは「助言は頼まれない限りしない」
不登校や不登校傾向の小中学生を支援する長野県長野市七二会の市教育支援センター「SaSaLAND(ササランド)」で、親の会「ツナガル」が立ち上がった。同施設を利用する母親2人が発案し、不登校の子や親の居場所づくりに取り組む市内の団体「ブルースカイ(登校拒否を考える親と子の会)」も協力する。同じ境遇の保護者同士が経験や悩みを共有し合うことで、親の孤立を防ぎ、支援につなげる考えだ。 【写真】発案者らが集まった「ツナガル」の会合
設立を発案した丸山彩美さん(35)と金子久美子さん(33)は元々、千曲市の親の会「シャベリバ!」などに参加していた。「自分の育て方が悪かったのか」「勉強や人との関わりはどうすればいいのか」…。不登校に関する悩みは尽きなかったが、同じ境遇の親同士で話すと気持ちを共有できて安心したという。丸山さんは「話を聞いてもらえ、気持ちが軽くなった。自分が住んでいる長野市でも開きたくなった」と振り返る。
ツナガルは6月に発足し、ササランドのスタッフや、ブルースカイのメンバーも加わった。同団体は今年4月のササランド開設に携わり、親の会の存在を必要視していたという。
代表の松田恵子さん(73)は「親が安心できると子どもも安心できる」と強調。不登校の子を育てた「先輩」としてメンバーが経験を話すといった協力を通し、「不登校でも大丈夫だった事例も見てきている。心配しなくてもいいと伝えたい」とする。
ツナガルは毎月第3木曜の午前10時~正午にササランドで「おしゃべり会」を催しており、既に3回開いた。話したくなった時に話したい内容だけ打ち明け、参加者の価値観や生き方をお互いに尊重し、頼まれない限り助言はしない―。そういったルールを設け、親が子どもに向き合う際の悩みや自身の経験を語り合っている。8月の回に参加した父親(47)は「悩んでいるだけでは前に進めなかった。体験談が参考になった」と感謝していた。
おしゃべり会は、市教育支援センター(計8カ所)に登録している子どもの保護者が参加できる。金子さんは「ちょっと話したいと思った時に行ける、開かれた場所を用意したい。話を聞いてほしいと思う人が一人でもいたら耳を傾けたい」と話している。