「きちんと再発防止策がとられているのか心配」養護学校で暴行を受けた元生徒の母親 市教委に要請書を提出
名古屋市の養護学校で教師から暴行されたとして、元生徒の男性が損害賠償を求め名古屋市に165万円の支払い命令が出された裁判をめぐり、10月29日、元生徒の母親らが名古屋市教育委員会に再発防止策の取り組みの現状などについて、報告を求める要請書を提出しました。
訴状などによりますと、名古屋市立天白養護学校に通っていた元生徒の男性(25)は、2017年に男性教師(当時59)から日常的に蹴られるなどの暴行や暴言を受けたとして、男性教師と市を相手取り550万円の損害賠償を求めていました。 2024年1月に開かれた判決公判で、名古屋地裁は「男性教師による日常的な暴行を認めたうえで、ほかの教員が止めに入ることもなく、校長は市への報告を怠った」などと指摘。職務中の教師の違法行為は市が責任を負うとして、市に対し165万円の支払いを命じています。 判決を受け、名古屋市教育委員会は「原告の方に対して改めて心よりおわび申し上げます。引き続き、再発防止に取り組んでまいります」などとコメントしていました。
10月29日午前10時過ぎ、男性教師から暴行を受けた元生徒の母親や代理人弁護士など4人が名古屋市役所を訪れ、名古屋市教育委員会の特別支援教育課に再発防止策の取り組みの現状などについて報告を求める要請書を提出しました。 要請書には、教育委員会が教育現場に向けて指導力を発揮するために取り組んでいる施策を具体的に明らかにするほか、裁判の判決を踏まえた教育委員会の見解を教職員や市民へ公表することを求めることなど、あわせて5項目が盛り込まれています。要請書の回答期限は11月12日です。 名古屋市教育委員会は「要請書の内容を精査したうえで回答したい」とコメントしています。 また、元生徒の母親はテレビ愛知の取材に対し、「判決が出てから日にちが経ったが、きちんと再発止策がとられているのか、私たちには情報が伝わってこなくて心配している。きちんと再発防止策がされて、学校が改善されて、初めてそこで終わりと考えている」などと話しています。
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